お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

秘密の呪文

朝、ベッドの上でちょっと躊躇したが「あー今日もいい一日にしよう」と言ってみた。

・・・。なんかしんどい。

そこで今度は

「あー今日も完璧な幸せがはじまる」にしてみた。

これはいい。いい一日にしようだと、自分が頑張って今の幸せをキープするためにタネを撒いて感じ取らないとならないような、そんな課題感があるのだけれど「完璧な幸せが始まる」ってすると、たちまち努力しなくてもどう過ごそうが、自動的に「完璧な幸せ」が押し寄せてくることになってしまうのだから。

人と比べずだの、今ある幸せに感謝するとか、怒らない、泣き言を言わないとか、そんなこと全然気にしなくていい。

人からみたら滑稽だろうが、みっともなかろうが、光っていようがいまいが、充実してそうだとかそうでもなさそうとか、そんなのとは別の次元で私の元に「完璧な幸せ」が今日も確実に、月と太陽のように止めることのできない力で巡ってくる。

そんな落ち着きが湧いてきた。

そうなんだ。完璧がはじまるんだ・・そう思って階段を降りていくと、すべてが正解だと迷わない。

 

朝の寝ぼけた愛想のない声と表情で夫に言うおはようも

お味噌汁を作るのが面倒で冷蔵庫に残っていた豆のポタージュに牛乳をちょっと足してごまかした朝食も

庭のひょろひょろ細長く丈だけ伸びた、手入れのしてないミニトマト

ただ習慣になっているだけの、いってらっしゃいのハグも

鏡に映るガリガリに痩せてえぐれてる頬に窪んでいる目も

そのくせポッコリ出てる下っ腹すらも

「なんだかわからないけど、これも完璧な幸せの一部ってことか」

と、自分であくせく努力してよりよくする必要がないんだと思えるのだ。

ちょっと「ん?」と思うことも、よくわからないけど完璧につながっている一部なんだろうなぁ。

 

この御呪い、いつまで効き目があるのだろうか。

明日も唱えてみる。