そこから始めましょうか・・
そうだそうだ糖質をとにかく少なめにしてもらおう。
ぽっこりお腹の夫に気付き、こりゃ早いとこ対処せねばと、やや慌てている妻に対し、夫はまったく危機感がない。
「お義父さんが糖尿だから、気をつけないと。食べ方変えないとね。膨らませ続けたらよくないよ」
「はーい」
と、言いながら食後にガリガリ君を食べたがる。
二日連続の飲み会の朝、なにを言ってもいうこと聞かない人なので、ダメでもともとと思いつつこう言った。
「飲みに行く前、時間があったらチーズとか、牛乳とかのんでいくといいよ。あ。ウコンとかでもいいかも」
「わかった、いってきまーす」
あれは、飲まんな。
アルコールが吸収される前に乳製品で胃に膜を張っておくと吸収が和らげられて血糖値の急上昇を妨げると学生の時に学んだ。大事なのは血糖値。急上昇をさせてはならん。
宴が始まってしまえば食材だの食べる順序だのしったこっちゃないだろうが、せめてもの対処法のつもりだ。
「ただいま〜。一次会で帰ってきた。偉いでしょ。」
えらいねぇ。自己管理できるようになってきたじゃん。と大絶賛で褒める。
「ウコンも牛乳も飲めなかった?」
「うん」
ああ、やっぱり。すると夫が得意げにこう続けた。
「でもね、うどん食った。時間がなかったから立ち食いで素うどん、食べてから行った」
目がどうだと光っている。すごいでしょと言っている。
ああ、夫よ。空きっ腹に炭水化物。そしてそこからの、飲み食い。
それ、一番急上昇するんですよぉ。。。
「僕もだんだん大人の飲み方できるようになってきたな」
褒めろ褒めろとこっちを見る目に言いづらいが、教えておかないと。
「そうだよ、やればできるじゃん」
とりあえずこの場は、意識の向上のみ、褒めておこう。
「あのさー、あれからちょっと調べたらさ、空きっ腹に炭水化物って一番怖いらしいよ。ご飯とか麺とか、芋とかが炭水化物なんだけど、そういうのが血糖値急上昇させて、内臓脂肪によくないんだって。」
翌朝、歯を磨いている夫に言った。
「あ、そうなんだ、昨日ウドン食べちゃったよ、どうしよ」
「ま、でもさ、毎回毎回ってわけじゃないし、次からやめればいいじゃん」
しょげる夫を励ます。
「そだな、じゃ、次からは煎餅とかにすればいいね」
この人の携帯に炭水化物一覧表を送信した方がいいかもしれない。