お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

トマトが届く

大学の時の友人からトマトが届いた。

お互いこの時期になんとなくお中元のやりとりをしている。

在学していた頃は、そんなに仲良しというわけでもなく、よく一緒に行動する仲間の一員同士だった。

縁とは不思議だ。

彼女は私が結婚すると報告したとき

「ちょっと見せなさい」

と言って、夫を自分が見定めてやると言った。

「思っていたより、軽薄じゃなくていい意味で『イマドキ』って感じじゃなくて、いいじゃない。tonに合ってるよ、あの人ならOK」

そういって祝福してくれた。

夫にとっても彼女は、なんとなく親戚のような、友達のような存在となり、何度か我が家にも泊まりに来たことがある。

入院したときはわざわざ福島から病院まで来てくれた。

離れているのに繋がっている。

 

箱を開けると真っ赤な宝石みたいなミニトマトがびっしり。

思わず、うわあ・・と漏れる。

一粒づつ、その場にいた息子と口に放り込む。

甘く、濃く、酸っぱい。最後に野菜の命の香り。

たくさん当てたパチンコ玉のようにピカピカ光って、ぎっしり入ったミニトマト

袋に分けて、母に持っていく。ご近所さんにも持って行く。

それでもたっぷり。

嬉しいなぁ。

少しだけ、取り分けて冷凍庫に入れてみた。

 

今朝、カチンコチンになったミニトマトを冷凍庫から出し、蛇口の水をサーっとかけた。皮がペリッと剥ける。

そこにちょっとだけグラニュー糖を振リ、食べてみる。

これはいい。甘酸っぱいトマトのシャーベットだ。

レモン果汁を少し足してもきっと美味しい。

 

ご飯を作りながらパク。

洗濯干しながら、ぽいっ。

パソ子に手を焼いて、やれやれと思ってはパクッ。

たまらん。

 

ピカピカの宝石を口に入れるたびに彼女がニカッと笑って

「どうよ、美味しいでしょう」

と言っている顔が浮かんでくる。