お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

草をむしりながら

ジャガイモと玉ねぎと牛乳のスープを作ったが味が決まらない。

ジャガイモとタマネギをコンソメと水で煮立ててそこに牛乳と塩を入れるだけのもの。

あっさりしてるのにちょっとこっくりしてて好きなのだが、いつも味が定まらない。

うん、これ。というのにドンピシャくるのは5回のうち一回くらいで、やり方も材料も水とコンソメの量も同じにしてるのに何が違うんだろう。

決まった時はたまらなく美味しくて、あまったのを冷蔵庫にしまっておいて翌朝、冷たいまんま飲むのがたまらなく楽しみになる。

ちょっと胃が疲れているのであれを食べたいと作ったのだが今日もハズレてしまった。

塩加減か。牛乳の量か。いつもと同じ分量に少し付け加える。

求めていた方に近づいたような、でもピントがずれたような。

牛乳が増えたぶん、コンソメか。

ほんのひとつまみパラパラやったら味がとがる。

ジャガイモをチンして少し追加し、丸くしようと試みる。

丸くなったがもっさりしてしまい本来のさっぱり感から遠のく。

ここでやめておこう。時間が経って落ち着けば味も少し変わる、夕食前にもう一度味見して整えよう。

 

草をむしっている間もコンソメスープのことを考える。

牛乳を足して量が増えた中途半端なスープをどうしよう。

今日はあれで出して、あまった分に鶏肉を入れてグラタンにしようか。

グラタン?こんなに暑くなってきたのに?

パスタ。そうだスープパスタならいいんじゃないか。

昼、私はパンを食べたいけど、夫の方に試しで出して感想を聞いてみよう。

・・・。

試しに夫に出すということは私にとって夫は舞台裏側の人ってことなのか。

となると、夕食に出すときにテーブルに座っている息子は?表舞台ってこと?

夫が美味しいといえばそれが正解なのか。

違うなぁ。彼、そんなグルメでもないし。万が一息子の不評をかったとしても、一人、美味しいという人キープ、という保険的なもんか。

失敗作ではないということにできる保険。

 

つい先日、あっちがこっちを息子の映画に断られた時のために保険に誘ったと憤慨したが、保険的扱いについては私だってやってるな。

案外私の方がやってるな。

 

熱中症になるよ、そろそろ中に入りなさい」

「はーい、お昼、スープパスタでいい?」

「パスタ。いいねぇ、ありがと」

保険お互い様説。