お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

クラム、ごめん。

昨夜のクラムチャウダーは気の毒だった。

クラムチャウダー一品だけじゃ男子は物足りないだろうと、夕方冷凍物のアジフライを4枚揚げた。

キャベツの千切りにトマト、アジフライ2枚ずつ、そこにデパートの惣菜売り場でカキフライを買った時についてきたタルタルソース。とっておいたのだ。ついでに冷凍の枝豆。

一応、魚、乳製品、野菜、豆と揃った。

「ただいまぁ。今晩なに?お、なんか美味そう」

ホクホク食卓に着いた息子はさっそく揚げたてのアジフライから手を付ける。

「ウメェ。これ、ソースもうまいね」

 

主役をもっていかれた。

白飯たっぷりとアジの皿一直線に手は伸びる。合間合間に枝豆をつまみ機嫌よく話す。

クラムチャウダー!それが主役なんだよ今夜は!

お茶碗とアジ皿が空になったところで息子が呟いた。

「で・・これは何?」

「それが、クラムチャウダーだってば」

「あ、そうなの。・・ん。うまい。ごめん、ちょっと多いわ。お腹いっぱいになっちゃった」

添え物のつもりでつけた冷凍物に負けた。

メイン、クラムのつもりでいたから大きなボールにたっぷり入れたが、アジの付け合わせにしては量が多い。

クラム、まさかの添え物。

夫が帰ってきた。

すかさず、ボールを味噌汁用のお椀に替えてそこに入れて出した。

今日は脇役。これは一度引っ込めて、次回何食わぬ顔でグラタンにして出そう。

「ただいま〜。お腹すいた。お、何フライ?アジか。嬉しい」

生協アジフライ、圧倒的勝利。