チャージ
夫が突然帰って来た。
テストを受け、夜、義父と義兄と食事をし、深夜バスで帰る。予定を聞いて、身体がしんどいから今回は来なくていいと言っていたが、一時間早い新幹線がとれたからと昨夜連絡が入ったのだ。
1時到着2時半出発。
着くなり「なんか食べる物ある?」といいながら服を脱ぎ、シャワーを浴びる。
「カレーと焼き魚どっちがいい?」
「焼き魚〜!」
鯖の塩焼きと納豆、きんぴら、おひたし、トマト、昨夜の残りのジャガイモと玉ねぎ、キャベツの牛乳スープ。
ここぞとばかりにちまちまと野菜を並べる。
「なんか変わったこと、ない?」
「ない」
・・・なんかあったような・・なんだっけ。
わざわざ耳にいれなくちゃいけないような事はたぶん、なかった。
「あ、枕、6800円、ちょっと高いの、買った。しかも通販」
「あ、そう」
サッカーの試合を観ながらあっという間に平らげた。
私も横に座り遅いお昼を食べる。
「あのさ、お疲れのところ申し訳ないんだけど、帰る前にひと働きしていただけます?」
「ん?」
「・・あそこにあるミニテーブル、二階に運んでほしいんだけど・・あ、いいや。いい。もう時間ないから。ゆっくりして。今日はいい」
「いいよ、やってくやってく」
すみませぬ。
「二階、置いといたよ。じゃ、行くから」
帰って来てひとっぷろ浴び、飯食って、荷物運びをさせられ、またすぐ出て行った。
わずか一時間半。そのくせやたら存在感を残していった。
じかに顔を会わせると、切れていたエネルギーがどこからか湧いてくる。
お互いチャージの昼ご飯。