お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

息子からの喝

カレーを作っている。

昨日「しんどいからカレーでいいや」と作って出したら、ものすごいブーイングを受けた。

「これ・・カレー、なんか味が変なんだけど。ご飯全部食べるからルー残していい?」

カレーの味がへんだなんて、そんなことあるはずがない。気のせいよ、食べて。と言ってみるが、強行に拒否する。

「なんか、味がしない。これ、何入れた?」

なにも怪しいものはいれていない。焼き肉のたれも、オイスターソースも、コーヒーも、隠し味にちょっといれるとおいしいと聞きかじったことのあるものを適当に混ぜてみるということもしなかった。

ただ。たしかに適当に切った目分量の材料に目分量の水、目分量のルーをぶち込んで、前回の残りのカレーをそこに足して作ったのだった。

たしかに、ルーの味も肉も野菜もごっちゃごちゃで、スッキリしてないどろっしたペーストみたいではある。

「なんだよ、これ、どこのルー使ったんだよ。ちゃんと箱の裏見て作った?」

どき。

そういえば、ちゃんと箱の裏のとおりにつくったこと、ないかもしれない。いつも、水分量だけ参考にはするものの「なんだかんだいっても最後はルーがまとめてくれるもんね」と最近では相当適当になっていた。ひどいときにはポトフのようにキャベツや大根まで入れてしまう。

ハンバーグも生姜焼きも揚げ物も。こんなもんしょうと、料理上手でもないくせに、レシピを確認するのが面倒で本能と勘をたよりに切り抜けつづけていた。

息子の言う通り、箱の裏のとおりにつくれば、メーカーが提供する味のものができあがる。それを何度もやったうえでの隠し味と目分量なのだった。

みそ汁の味が毎日まちまちなのも、そういうことか。

私は相当甘やかされた妻なのだ。

夫はめったなことでは残さない。なにを出しても「おいしいよ。ありがとう」と言ってくれるのをいいことに、とくになんとも思っていなかったが息子は厳しい。まずいものはまずいという。そして、たいてい、それは「ま・・そうね。おいしいとは言えないわね・・」という出来なのだ。

基本にもどろう。

結婚したばかりの頃、毎日レシピをみては、時間をかけて作っていた。おいしいものを食べさせたいとそればっかり考えていた気がする。

時短と簡単という単語を検索キーワードに入れ過ぎた。

品数少なくても時間と手間をかけたもの。

コトコトコトコト。シューッシューッ。鍋の音。

20分煮込むと言えば20分。弱火なのか中火なのか。

 

そんなわけで、今、リベンジのカレーを作っている。

箱の裏をちゃんと読んでいる私は、けっこうかわいい。