お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

めでたしめでたし。

昨日、友達と映画を観に銀座に行ってきた。

正直言うと体調がよろしくなく、ヘロヘロしながら家を出た。映画館に持って入ったパンを食べたあたりから、いよいよ怪しくなり、「困ったなぁ、今日はこのあと、最悪、お茶もしないで帰ろうか」と考える。

結局言い出せないままお茶になり、一息ついているうちにおしゃべりが楽しくなってきて、そのまま夕方まで楽しんだ。

 

今日はそのツケか、天候のせいかいよいよ調子が悪い。

午前中のうちに家の中にあったものをかき集め、弱った時の恒例、カレー。

豚肉、人参、玉ねぎがあってよかった。キャベツもついでにザクザク刻んで入れちゃおう。買い置きのルー・・・あった!助かった!

こんな体調の日は、へんに気合を入れたり、凝ったものを作ってはならない。

大抵、いいことはない。取り返しのつかないものを過去、何度も作って学んでいる。

素直に、箱の裏を見て、水の量、煮込む時間、その通り、作る。

味見をして気がついた。しまった。中辛だ。

息子はバーモント以外の中辛は積極的には食べない。

お子ちゃま好みなのだ。

余計なことはするまいと誓いながら、これくらいはいいだろうと、よせばいいのに豚肉にカレー粉を少しまぶしたものだから、スパイシーさが際立っている。

うーむ。

ここで、焦っていろんなものを混ぜるのは、大事故につながる。どうしたものか。

ごそっと半分、お鍋から取り出し、タッパーに詰め、母のところに持って行った。

「間違って中辛のを作っちゃったから、半分、引き受けて」

ぼんやりテレビを観ていた母が飛び跳ねて喜んだ。

「何、カレー?あら、嬉し。今夜これでいいわ」

「グルメのお姉さんからブーイングが出たらtonが作ったんだって言っていいから」

「いいのよ、何か食べるものがあれば。ご飯作らないで済んだわ。これで」

最近、母は台所が億劫になってきたようだ。そりゃそうだ。77歳。

毎日毎日朝晩と、姉と自分の食事を作っているが、いい加減、疲れるはずだ。

「助かった、今お鍋に移すから、この入れ物持って帰って」

こっちも助かった。

半分になった鍋にかぼちゃとジャガイモを蒸して入れた。

グツグツ煮込みながら、お玉の背でかぼちゃとジャガイモを潰しかき混ぜる。

最後にトマトをすりおろして加えると、さっぱり優しいカレーが出来上がった。

母も喜び、私も助かり、野菜たくさんのカレーになった。

これが、ウィンウィンって言うこと?

怪我の功名ってやつの方が正しいか。