今頃使い出す25年前のミラクルマシン
最近、ホットプレートをよく使うようになった。
我が家のは、結婚する時に買った25年前のもので、たこやきや焼肉用の取り替えプレートも付いていない。通電してから適温に達するまで、恐ろしく時間がかかる。
この恐ろしく時間がかかることと、取り出すのに重いことが理由でしまいっぱなしにしながらも、もったいないもったいないとずっと気になっていた。
圧力鍋も電磁調理器も、オーブンレンジも「もとは取った」と自負できる。
しかし、これは。どう考えても「なくてもよかった」反省品であろう。
息子が小さい頃は友達がくればホットケーキを焼いたり、昼にはお好み焼きなどもしたが、今はそんなこともない。
そうだ、いちいち構えるから億劫になるんだ、いっそのこと机に据え置きにしちゃえ。
ホットプレートの蓋は外し鉄板が剥き出しの状態で常に台所の小さな机の上に置いておくことにした。
朝、まず電源を入れてから、味噌汁を作りにかかる。あれほどうんざりした、中々温度に達しないのも、ここでは都合がいい。
味噌汁が出来上がり様子を見にきた頃、ちょうど加熱温度に達してきたので、そこに卵3個を割り落とす。ついでにウィンナーも並べる、茹でてあったトウモロコシ、ブロッコリ、切っただけのキャベツ、きのこ、なんでも野菜らしきものを広い面に置いていく。
干物を焼いたりしているうちにそれぞれ適当にいい具合になっているので皿に乗せ塩を振ったりケチャップを添えたりして、出す。
それだけ。ほぼ料理ではない。
めんどくさがり屋の私はあともう一品と思った時に、たとえ目玉焼きでも面倒になる。
フライパンでじっくり焼くその一手間がめんどくさい。目玉焼きができたら、フライパンを一度洗って野菜を炒めるなんて、したくないのだ。
魚を焼いたら味噌汁、納豆とトマトだけ。オムレツを作ったら魚は焼かない。
大きく広がった鉄板はくるものを拒まない。
すると心に余裕ができるのが、ついでにアレコレ鉄板の上に載せたくなってくる。
目玉焼きの横に昨夜の残りの豚肉を焼くことも、半分に切ったピーマンにチーズを入れて乗せておくことだってホイホイできてしまう。
厚揚げだろうがナスだろうが、冷蔵庫に中途半端にあるものをなんだって乗せてしまいたなるのだ。
テーブルに持っていき、みんなでワイワイやる時のお道具だと勝手に決め込んでいたのは大間違いだった。
なんでも受け入れてくれる心広きフライパンなのだ。こんなに便利なものをどうしてもっと活用しなかったのだろう。
そして最近、餃子の焼き具合に失敗がなく、「うまくなったね」と評判がいい。