お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

梅雨の土曜日

梅雨らしい雨の日。

どういうのが梅雨らしいというのか、知らないけれど私にとってはこういう日が梅雨らしくて好ましい。

朝起きるとどんよりとした、けれど重苦しい雲が圧迫してくるような空ではなくて、ちょっと膜のかかったようなぼんやりとした薄曇り。気温もむっとした暑さもなく、窓から弱く風がするすると家の中を抜けていき心地よい。

朝から「はいはい梅雨ですからね、雨、降らせてもらってまっせ」と、ザーザーとやられてしまうと、打ちのめされてしまう。

朝はぼんやり薄曇りから始まって、次第に遠慮がちにぽつ、ぽつと降ってみたり止んでみたりし、それではやらせていただきますねと午後2時ごろから途切れなくただ静かに雨音を鳴らす。午後だから街も動いていて、子供の声や、車の音が時々伴奏のように混ざる。鳥が鳴いたりする。

今日はそんな日だ。

何にもしたくない。

ワクワクしないときは頑張らない。

今日は山籠りの日にしよう。

夕飯の支度は大丈夫。昨日作った煮込みハンバーグ、夫は飲み会、息子は寝てしまい誰も食べなかった。

洗濯もこの雨だからしない。

土曜日だから山小屋の管理人がいる。買い物もお風呂掃除も彼に頼もう。

トースト、トマト、りんご、赤パプリカのマリネ。なんの調理もしたくない。管理人のおじさんには納豆に即席のお味噌汁にリンゴとトマトをセットし「自分でよろしくね」と申し渡した。

今日は無の日。ただ静かに漂うだけの日。

降ったり止んだりする雨の合間に犬を散歩させる人たちの会話が聞こえる。

そいういうのを聞いている日。

あぁ・・・心が温泉に浸かってるみたい。