お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

お。

やはり午前中は使い物にならず、床で寝る。

こう何日も続くと、罪悪感も薄れ「いつものパターン」になり危うい。

怠惰な午前中。お気に入りのラジオ番組を睡魔の中で遠く近く、聴く。番組が終わった12時にのっそりと起き上がった。

頭が重く、ふらつく。

今日も一日、この調子で終わってしまうかなぁ。

ぼんやり文庫本を開いて読んでいると、隣の家のドアがガチャガチャいった。

出かけるのか。母だな。

そうっと気配を消してやり過ごそうとするが、庭から回ってきて、窓越しに立ち、こちら見ている。・・・もはや逃げられぬ。

「どこか行くの?」

「おばさまのお墓詣りに行こうと思って」

思ってって・・・。なんだ?なんなんだ?この余韻。一緒に行こうということか?

「それで、その後、デパートによって、お義父様へのお中元を選ぼうと思うんだけど、何がいいか迷って大変なのよ」

お義父様というのは、夫の父。つまり私の義父。実家の母から娘の嫁ぎ先への品を選びに行くのだが、決まらなくて大変なのだということだ。

「ありがとうございます。」

「・・・疲れているの?」

「うーん。今日はこのままのんびりして疲れを取ろうかと思ってる」

「・・・そう。そうね。なんだか貴方、おばあちゃんみたいにシワクチャになっているわね、一人で行ってくるわ。ゆっくりしなさい」

「すんません。ありがとう」

一人で行ってくるわと言うってことは、やはり二人で行こうかと思っていたということだ。

ま、無事、逃れた。

また、床に転がる。目を閉じてじっとしているが、どうにもこうにも落ち着かない。

むくっと起き上がり、電話をする。

「あ、お母さん?これから私もうちのお中元頼みに行くから、お墓詣り終わったらでバートに寄るんでしょ。そこで合流して一緒にお義父様の品を決めよう」

あら?いいの?

くらいは言ってくれるかと思った私が甘かった。

「あ。そう?いいわよ。それでも。どしたのよ、1日のんびりするっていうのは」

「まぁ私もお中元あるし。やらないとやらないとって思いながらゴロゴロしてても落ち着かないしね。雨のやんでいるうちに済ませておくわ」

「そ。いいわよ。じゃ、着いたら、電話して」

着いてきても構わなくってよというスタンスは決して譲らないところが、小憎らしい。

義父への贈り物は、思いの外あっさりと決まった。一人暮らしで糖尿病もあるので雑貨を勧めた。

これですぐには帰れない。いつもの流れが待っている。

「私、ブラウス見たいのよね」

「いいよ」

「お茶、どこでする?」

締めに母はパフェ、私は今日もシュークリーム。

全てを済ませ、家にたどり着き、玄関でそれぞれのドアの鍵を開けるために別れる。

「じゃ、お疲れ様でした」

そう母に言うと

「はいはい。今日はありがとう」

お。今日は。可愛いじゃん。