窓拭き
窓を拭いた。
昨日も拭いた。
昨日と今日と同じガラスを拭いた。
・・・・。
どうして私がやるとこうなるんだろう。窓ふき。一発でできたことがない。
筋が残る。どんな道具を使っても、どんな洗剤を使っても、使わないでお湯でやっても水でやっても、縦に、横にスーッと雑巾やワイパーの跡が残る。
今回は結構期待をしていた。生協で最強アイテムを買ったのだ。
【力を入れないでも綺麗に仕上がる!】
【高精度なゴムが水滴ひとつも逃さない!】
おぉっ。これぞまさしく私が求めていたものではないだろうか。水滴ひとつ逃さないということは、仕上がりもきっと美しい。
購入者の声をじっくり読む。生協のこの書き込みは、主婦たちがときに辛辣な感想を書いているので信用している。私が気に入ってる商品でも、もっとこうしたらいい、ちょっとここが残念という人たちもいる。一番キツイなぁと思ったのは「もう買いません」というのもあった。
読んでいくと、これで窓拭きが楽になった、これを買ってから窓を拭く回数が増えたと、大半は高評価だ。たまに、期待していたほどでもなかったというのも出てくるが、概ね好評化である。中でも私を惹きつけた書き込みは「いつもうまくいかないのですが、これは比較的、良好」というもの。この人がうまくいったなら、私もうまくいくはずと心が踊る。
さぁ。今年の暮れは窓をピカピカにするぞ。
お察しは付いているだろうが、期待は裏切られた。
メーカーも生協も、主婦の皆さんも悪くない。至らないのは私です。
子供の時から、人が当たり前のようにできることが、なぜかできない。
小学生のとき、ノートの端と端に1センチ間隔で点を打ち、そこを定規でつなぎ、等間隔の線を引くというのがあった。
友達のノートは綺麗な縦の線が平行に並んでいるのに、私のは最後の方の幅がだんだん不均等になっている。
夢中になってやっているときは、ちゃんとできているつもりなのに、仕上がってみると、なんか、変なのだ。
みんなより時間がかかってこの出来というのは自分でも不思議なのだが、何度やってもそうなる。
窓拭きの、ツーっと残る縦線は、もう私のお友達だ。やるたびやるたび、現れる。
昨日、拭き終わり、またしても現れた其奴を見たとき、あぁ、、とがっかりしながらも、どこか「やっぱり来たか」と受け入れた。もう見慣れた跡をそのままにして、脱力した私はそのままにして、終わりにした。
一晩明けて、窓をみる。
ところどころ透明なガラスに、下手な証拠がやっぱり並んでる。
ちぇ。やるか。
湿った布で拭き、すぐに乾拭きをする。
毎回お決まりの二段階コースの手間を経て、やっとまぁまぁの出来になった。
追試を受けてもやはり満点を取れない・・。