お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

窓拭き

 

朝食前、洗濯物を持って二階に上がったついでに窓を拭く。

張り切ると碌なことがなく、思いつきの方が良い結果が出るという私の特性の論理上、窓拭きもなんとなく始めるのがいいはずだ。

古い穴の空いたバスタオルと、中性洗剤を水で薄め霧吹きで雑に取り掛かる。

ぼたぼたになるくらい、窓に水を吹きかけると、溜まりに溜まったゴミと埃の入り混じった薄茶色い液体に変わって線になって滴ってゆく。それをバスタオルの端っこで拭き取る。しっとり濡れた汚れたタオルはびっくりするくらい黒かった。

今度は乾いた面のタオルで乾拭きをする。

キュッキュッという音。あぁ。小学校のお掃除の時間、窓拭き担当が取り合いになったっけ。洗剤をスプレーするのがいかにも、非日常的な掃除っぽくて、みんなやりたがった。地味に床雑巾に比べ窓拭き係は数少ない勝ち取ったものがやれる花形の場所だった。あの時も、冬の冷たい空気にキュッキュッっていう音が低く小さく、そう、こんな音だった。

雑に一時間、寝室の窓4枚だけ磨いた。朝食前のまだ半分寝ぼけたまま始めるのはいい思いつきだった。覚醒されてからだと「めんどくさいなぁ」とか「ガラス用のワイパー買ってこようかな」「いやいや、換気扇をやってからやるか」「あぁ、門の屋根も落ち葉はらいしないと」あれこれ考えが広がって、始める前に疲れてしまう。

考える前に寝ぼけているうちに動く。寝ぼけているから肩に力も入らない。

力が入っていないから窓はいつものように縦線が残ることなく綺麗に透明に仕上がった。

ホクホク。

洗濯物と窓とサッシの掃除が終わって朝ごはん。

大掃除するぞって思わずに、ちょこっと気になるとこだけやることにしよう。