お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

あなたのことを教えてください

「アンケートに答えて今年の新作の裏起毛パンツをプレゼント」というのに応募した。

いつも、こういうのはどうせ当たらないしと思って参加しないのだが、なんでか、今日に限って、ちょっとやってみっかという気になったのだ。

氏名、住所、年齢、当たり前のことを入力する。

【あなたにとって一番輝いていたときはいつですか?】

1、過去 2、今 3、未来

ううむ。小学生の時か。あの頃は怖いもの知らずだった。千葉の田舎で走り回り、友達と喧嘩したり交換日記をしたり、いじめられっ子がいれば戦いに行き、日が暮れるまで遊び、叱られても比べられてもどこかケロッとしていた。

中学で東京に引越し、やや都会っ子のヒンヤリとしたブラックジョークにビビりつつも、ぬるいところを探して安心してた。高校・・女子校に入ったら二つの世界があった。怖いイケイケお姉さんグループと垢抜けないほのぼのグループ。当然後者に居場所を確保。

すると・・そうだな。大学2年あたりから。あの辺から息苦しくなったんだ。散らばっていった仲間たちも気がつくと恋をしていたりバイトに励んだり、まったり呑気におしゃべりばかりしていない。親にはダメ人間と言われる。姉は有名女子大の学内サークルで華々しい。

あの辺から毎日苦しかった。

小学生を過去というなら答えは1だ。

だが、それは、49にもなって「小学生の時が一番良かった」とそこにしがみついているようで、できない。そうではない。あれは、あれ。今は今。

でも未来の私が輝いているであろうという発想もない。未来なんてあるのか。今しかないだろう。今、ここにいる私しか、存在しないんだから。

そもそもこの質問自体、何を考えているんだ。

結局、2の今にチェックを入れる。

【その理由はなぜですか?】

葛藤や悩みを超えて、今やっと自分とそれを取り巻く環境、人たちを愛おしく思えるようになった。今なら本音で自分の好きなこと、やりたいことを追い求めていけそうな気がする。

迷わず言葉が浮かび、入力できることに自分で驚く。

そうか。もう私は闇からぬけたんだ。ひとつ終え、これから始まるところにいるのか。

【あなたが生きていると感じるときはどんなときですか?】

散歩しているとき テレビもラジオも消して鳥のさえずりや保育園児のはしゃぐ声、ヘリコプターの音なんかが聞こえてくるとき 家族と笑っているとき

するすると出てきた。

そうか。私の求めているものはここか。

単なるアンケートが深層心理のテストのようになってきた。

葛藤や悩みを超えて、穏やかな心で家族と笑い、散歩をする。

・・・えっ。それだけぇ?

・・・それだけかもしれない。

お金も欲しい。パソコンも欲しい。服も欲しいし、映画も観たい。本もお金に制限なく買いたい。

丈夫な体も欲しい。

センスある文章も書けるようになりたい。

人を癒せる強さも欲しい。

でも。

いつも穏やかで平和で笑っている人。平和の発信地でいられること。

それが究極の願い。

願いのコアが見えた。