気まずい
き、きまずい・・・・。
どうしよう。直ってしまった、わたしのKindle。
初期不良で接続が悪く、充電しても通電したりしなかったりの途切れ途切れでのKindleが壊れた。二日かかって30パーセントなど、ざらだったが、ついにまったく反応しなくなってしまった。
カスタマーセンタとチャットのやり取りの末、あちらさまのご好意で、気前よく全額代のアマゾンギフトをいただいた。
ひと月違いで保険が切れていたが、買ってからほぼ一年しか経っていないことと、手元に届いたときからの症状であることを考慮した上での温情だった。
保険云々は記録からはっきりするが、はじめからの不具合だったなどということは、相手を信用するしかない。
そもそも、届いた時点ですぐに不具合を申し出ていればよかったこちらのミスもあるというのに。この寛大な御裁きに私は恐縮した。
お礼の意味を込めて、いただいた金額でまた同じものを買おうと思っていたが新作が10月に売り出されるかもしれないということだったので、それを待っていた。
しかし、手元の不具合Kindleは充電のコネクション部分だけが使えないだけで、あとは全部、正常に動く。なんとなくもったいなく、捨てられないまま、持ち続けていた。
それが、今日。
暇つぶしに、どうせ捨てちゃうなら多少荒っぽく扱ってもいいやと、かなり強引に本体の端子を入れる穴に三角定規の尖ったところを入れ、ぐいぐいと、調節していた。
角度が悪いだけかもしれない。
しかし、そうそう簡単にはいかない。高さが水平じゃないのかもしれない。今度は上から検討で力任せにぐいっとやってみる。
そして、差し込む。
だめだ。やはり、壊れてる。
最後に半ばやけになって、もう一度、無理矢理穴の中に三角定規を入れて、ぐいっとやってみた。
ぐにゃ。
変な柔らかい手応えがした。あ、曲げちゃった。
あーあ。もう、本当に駄目か。
それでも念のためと再度、差し込んでみる。
ピニョン♪
・・・!
つながっちゃったよ・・・。
なにがどう功を奏したのかまったくわからないけど、なにかがいい方向に働いたらしい。
ケーブルのつながっている角度が少しずれると、またすぐ切断されるので、その都度つなぎ直してやらないと駄目だが、使えるには使える。むしろ、カスタマーセンターに相談する以前の状態より、明らかに改善されている。
よくなっちゃった。
気まずい。なんだか、不本意だが詐欺をはたらいたような、後ろめたさだ。
もうこうなると、新機種を買おうなどという気には、なれない。
そういった事情から、今、Amazonを開き、Amazonの商品でなにか買わねばと探している。
・・・アレクサ、君にしようか。
だが、実際、声をかけている自分を想像すると、照れくさい。
家族のいないときの私の相棒としてお迎えしようか。
思わぬ展開に嬉しいような、ずるをしたような、妙な感覚を消化するため、Amazon閲覧はまだまだ続く。