お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

点でギュ。

机を二階の寝室に戻した。

去年の暮れくらいから、母があんまり何度も庭から渡り廊下から、「ちょっといい』「ちょっとこれみて」とやってくるので、もう、どんっと一階に机を構えて、オープン状態にしようと移動してみた。

冬のリビングは日当たりもいい。机に座りながら、息子の帰宅や通りを行く人を眺める。本を開いたり、うとうとしたり、お鍋を覗いたり。

拠点を一階にすると、一日中そこにいる。

初めのうちはそれが便利でよかった。そして、納戸にこもっていた頃から比べると、家族を拒絶しなくなっている自分が嬉しかった。

もう、私普通かも。

 

テスト期間に入り、息子が家にいることが多くなると、朝昼晩、食事を作る。そしてその度に当然だけど、リビングでテレビをつけてスマホを見てとデンっと居座る。

息子でもダメ。入っていけない。自分だけの世界に。

ヘッドホンをして見ても、それはそれで、「あなたを遮断してます」と意思表示しているのがあからさまで、落ち着かない。

向こうがイヤホンをしているのは全く気にならないが、母が息子のいる部屋でヘッドホン。

息子も息子で中途半端なんだろう。自分の部屋に上がるタイミングを図っている。

「俺、二階に上がるわ」

ホッとする。そのくせなんか寂しい気もする。

 

やっぱり自分一人の基地が私にはいる。

ずっと私は母も夫も姉とも長く一緒にいると疲れるのは、実は愛していないからだと思っていた。

息子でもダメってことは、これは、私がそういう質なんだろう。

夫もこのタイプ。おそらく息子も。

だからうちの家族は、ふわふわ漂いながら、時々ぎゅっとつながる。

線でなく、点でぎゅっとくっついて、また離れて漂って、ギュ。

 

二階に無印の折りたたみ机を持っていこうと階段を登り始めるとぐいっと押された。

「なんだなんだ、引っ越しか?無理だろ一人じゃ」

息子が力を貸してくれた。

二階の窓からの夕焼けが懐かしかった。

 

夫の単身赴任が終わったら、私はまた納戸に居を構えるのかなぁ。

先のことは考えない。

今はここが私の宇宙だ。