お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

甘ちゃん息子、ヤバし

テレビを息子と観ていたら、主婦が「お母さん、今日はもう閉店」と言ったということが話題になって、タレントがそれぞれの考えを話していた。

わかるなぁ。

主婦、お母さんは、家族がそこにいれば実質、24時間営業中だもの。

私も息子が小さいとき、何度、時間で区切りたいと思ったことか。

これは、その主婦本人が、その発言をSNSにアップしたのではなく、その傍らにいた夫が「うちのカミさんがこんなことを言うとります」と言うスタンスでTwitterにあげたことから始まった話らしい。

つまり、苛立ちや疲れやストレスがないまぜになって言っている、家庭内でのお母さんの一コマなのだ。

「だったら子供なんか産まなきゃいいのに」

息子がいかにも、正論だと言う語気で呟いた。

なんと言うことだ。こいつ・・・・。

本気でそんなことを、これからその現場に突入したときもおヌシ、言うつもりか。

それはまずい。まずいぞ。

「だからさ。心の叫びだよ。実際、閉店なんができないんだよ。そんなのわかってるけど、そう言いたくなるくらい追い詰められるから、家族に向かってそう言うんじゃない。そうは言っても目の前で子供が高熱でも出したら、すっ飛んで病院に連れて行くに決まってるじゃん。それでもそう叫びたくなるとき、あるんだよ」

息子は全く理解できないようで

「だからさぁ、そんな風に思っちゃうくらいなら、子供欲しいとか言うなよ」

こいっつ〜。やばいぞ。こいつ、マジ、やばい。

「だいたいね、これは、子供に向かって叫んでんじゃないのよ。どちらかと言うと夫に向けて言ってるの。私は疲れた。何時になったら、もう閉店するから、あと、よろしく。子供達も、なんかあったら、お父さんに頼んでって言う・・」

するとそこは理解できたようで

「あぁ。なるほどね。そういや、うちの父さんも何にもしなかったもんな」

おお。わかってきたか。息子よ。

「そうだよ。これを聞いたご主人が、あぁお母さん閉店だって。じゃあ父さんとお風呂入るか。今夜は父さんが本読んでやるからもう寝ような、とかやってくれれば平和な話でおさまるのよ。」

「あ。じゃ、つまり、夫はこんなことTwitterしてるんじゃねぇってことか。そんな暇あったら、子供の世話でもしろと・・・」

よし、飲み込みが早い。こういうズレは、頭の柔らかいうちに耳に入れておきたい。

しかしびっくりした。息子がこんな石頭になりかけていたとは。

「でもさぁ。こういうの観たり聞いたりしてると、結婚て怖くてしたくなくなるわ」

しみじみと若者は言う。

「メディアではほのぼのした話より、強烈な話の方が盛り上がるからだよ」

「俺、いいわ、結婚しなくても」

「あら、たいへん、それじゃ、早速明日からでも、お料理特訓しないと」

「なんでそうなるんだよ」

「一人で生きていくのも、それなりの技術が必要ですよ。洗濯、掃除、あと、お金も。」

料理ぐらい、やろうと思えばできるよと言う息子。

甘い。やばいくらいに甘い。

来月20歳。ぼちぼち、本気で仕込まないと。生きていくためのスキル。