お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

治っちゃった

昼過ぎにトイレに行って、立ち上がろうとしたら、目の前にチカチカと星が飛び、同時に目眩と吐き気がやってきて、もう一度座り込んだ。

一瞬のことで、しばらくじっとしていれば過ぎ去るかと思っていたが、状況は変わらない。困った。こんなところで、倒れるのは絶対に嫌だ。

しばらく便座に座り、待っていると、動悸も収まり、意識もしっかりし始め、星も消えた。

ゆっくり個室から出て、そのままベッドに転がる。

ううむ。どうしようか。今日は4時半から歯医者の予約が入っている。

行きたくない。

家から一歩も出たくない。

いつもここで、うじうじ迷っているうちに時間が迫り、今更ドタキャンはできないと、タクシーで行ったりするんだ。理屈より、思考より、体の声を最優先。今こそ、そのときだ。

休もう。

キャンセルするならできるだけ早い方が迷惑にならないだろう。当日というだけでもドタキャンなのだ。そのまますぐに電話をいれ、金曜3時半に変更してもらった。

ものすごい安堵感。

もう一度ベッドで横になり、眠った。

 

起きると、3時半。頭がスッキリしている。

階段を降り、息子がいるテーブルでパンにマーマレードをたっぷりのせて食べた。

目眩もしない。星も飛んでいない。足元がやや重いが、ほとんど、普段通りに戻っている。

この目の前にいる息子は、この数時間の間に母親がヘロヘロになって復活して降りてきたとは知るまい。

歯医者、行けたか・・・。

ズル休みをしたかのような罪悪感が浮かんでつきまとう。

あの時はダメと思ったんだけどなぁ。

あそこでキャンセルして安心して眠ったからよくなったわけで、あのまま無理して出たら、きっと病院で具合悪くなったかもしれない。

甘いパンを食べながら、自分に「それでよかったのじゃ」と諭す午後。

 

夕方、反省とお詫びのつもりで家中に掃除機をかけてみたが、歯医者にとっては「なんのこっちゃ?」というくらいの、どうでもいい出来事なのだ。