重いリュック
昨晩、息子は結局夕飯を食べなかった。
授業の後の三時間の補講はさすがに疲れたようで、帰ってくるなり
「暑い・・疲れた・・なんでこの部屋こんなに暑いの?・・・信じらんない」
不機嫌オーラを振りまく。
エアコンの設定はドライの27度で、それでも私には少し肌寒いなと感じていたのだが、若人には「ありえねぇ」体感だったようで、これがイラッとしたらしい。ピピピピピッとリモコンのボタンを押して温度を下げた。
「ごめん、寒かったから」
「なんか、あんまりお腹空いてないんだよね」
さっき「これから帰る、腹減ってる、夕飯食べます」とラインをしてきたじゃんっ。あんまりお腹が空いて、帰り道になにか食べたのかな。
夕方おにぎり二個食べたというし、抜くなら抜いてもいいか。
こういうときは、戦わない、逆らわない、関わらない。
用意していた御膳をタッパーに戻し冷蔵庫にしまい、歯を磨き、退散退散。
「おやすみ。そこで寝ないでちゃんとお風呂に入って二階で寝てね」
返事はない。むすっとiPhoneを覗き込んでいる息子を置いて二階に上がった。
今朝。
やはり、一階にトド化した息子がでんっと床に転がっていた。
あれから風呂にも入らず、結局ここで寝たようだ。
エアコンがつけっぱなし。リュックも置きっ放し。机の上にはiPhoneとイヤフォンが。
やれやれ。リュックを持ち上げて階段の方に持って行こうとすると、びっくりするくらい重かった。教材にノートパソコンの詰め込まれた黒いリュック。いつもひょいっと背負って出ていくからこんなに重いものだとは思っていなかった。
こりゃ疲れるわ・・・。
えっこらしょと階段の下から二番目の段に置く。それだけで私はもう、ヘトヘトだ。
息子のいつもの日常、知ってることの方が少ないんだなぁ、きっと。
時計は6時半。今日も登校は11時と遅出の日。
トドはこのまま眼を覚ますまで転がしておこう。
洗濯機を仕掛けハンガーに干し、お風呂を掃除して、朝ごはんの支度をする。
私ももう一度寝よ。二階に上がり、ベッドに潜り込む。
ふふふ。もう少し寝ててくれるといいなぁ。なんか思わず贅沢な朝。