お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

休んでおくれ

台所に立ち、そばにiPad miniを置いてラジオを聞こうとしていた。

最近、この子も調子が悪い。ボタンを押してもやる気なし。気まぐれで反応してみたり「今日は気分じゃないのよねぇ」と、動かず、を決め込んでみたり。

なるべくご機嫌を損ねないように、彼女の調子に合わせて、嫌がっているときは素直に諦め、長時間は使わないなどと気を使いながら働いてもらっている。

その彼女が、突然、喋り出した。

早口の女性の声で、ベラベラベラベラ無機質に抑揚なく喋り続ける。

餃子の具を皮に包んでいた私は、何事かと驚いた。

一人で黙々と作業していたところに、突然、話し出したコンピュータ。

どうした、一体どうしちゃったの。

よく聞いていると、このブログで私が読者登録てしている人達の本日アップされた記事を次から次へと順番に読み上げているのだ。

いったいどうやって・・・。記事はすべて閉じたのに。

はてなのアプリを閉じても、safariを閉じても、止まらない。

設定からボイスオーバーを確認したが、オンにはなっていない。

Siriも私はオフにしている。

どうしたどうしたどうした!しっかりしなさいっミニちゃん!

ついにこの暑さでやられてしまったのだろうか。

全てのアプリを閉じ、ホーム画面に戻しても話し続けるiPad

だんだん怖くなってきた。何か意思を持って読み上げているかのようだ。

強制終了をして再度立ち上げると、今度はパスコードに反応しない。

からかわれている。

何が怖いって、機能は壊れていないのに、こちらの言うことを効かなくなったというところが、怖い。

「すまんな。ここまでだ、これまでありがとう」

餃子7個包んだところで中断し、洗い物もそのまま、彼女を抱えて二階に上がる。

パソコンを開き、「iPad 初期化 工場出荷状態」と検索し、二つをケーブルでつなぎ、即、初期化した。

今、彼女はおとなしく眠っている。

疲れたんだろう。

なんだか錯乱状態になってしまったデバイスを強制入院させたような気分。

なぜかそれが、数年前病院に担ぎ込まれ、即、救命センターにそのまま入院させられてしまった自分と重なり、切なく愛おしい。

ゆっくり休め。ミニちゃん。