お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

ワンパク坊主

 

今、若い世代が栃木、山梨に移住するケースが増えているとテレビでやっていた。

「いいね。緑に囲まれて。川や山が近くにあるって豊かだよね」

「俺、こういうとこに住もうかな」

「いいね。私の場合は、医療関係が不安だからここから離れられないけど」

「そういう意味ではここは安心か。」

私のように救急救命が近くにあったほうが安心な人間にとっては、交通、医療がいつでも助けてくれる都心は心強い。

「私はあなたにワンパクに育って欲しかったから、丈夫だったらこういうところで育ててみたかったかなぁ」

すると息子が声を大きく発言した。

「ちょっと待って、母さん、俺にワンパクになってもらいたかったの?」

「?・・うん」

「俺、ワンパクになってる?なってないよねぇ」

「野山を走り回るタイプじゃないけど、十分、のびのび育ってるじゃない。もう、やりたい放題に」

「あ、やりたい放題はね、やらしてもらってると思う。ダメって言わないよねぇ」

「言ってもきかないじゃん」

息子は、やりたい放題をやらしてもらっているけれど、自分はワンパクな方ではないと思っている。生真面目で心配性な性質をそう分析するのかもしれない。

しかし、私から見れば、突然中学受験すると言い出したかと思えば、高校で声優塾に行きたいといい、どんなにダメだと言っても夜中までゲームをやり、反抗期には家の壁に穴を開け、かと思えば、やっぱり声優では食えないと、受験に没頭し、入学したかと思えばやりたいことと違うと学科変更し、よくもまあそれだけ、色々思いつき、そしてその都度決して妥協せず、その通りに生きる度胸があるもんだと、感心する。

「ワンパクって子供が活発に暴れたり、いたずらしたりして言うことをきかない男の子のことをいうんだよ。ワンパク坊主って。心が活発で言うこと聞かないって点では、しっかりワンパクですよ。」

はっはっは。笑う息子も10月で二十歳。

だんだん夫に似てくる。ワンパク加減も。