お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

おめでとうありがとう

夫の誕生日の朝。結局、何も贈らなかった。帰ってきたときに手渡しをしようという言い訳を胸に当日を迎えてしまった。

やはり、とにかく期日に間に合わせる方がよかったかと、引っかかる。が、今このしんどい状態で何かをプレゼントするとしたら、やっつけ仕事になってしまう。

やっつけでもきっと彼は喜ぶ。あの人はそういう人だ。期待しない。欲張らない。相手の心を探らない。

何かをもらったり親切にされれば、素直に喜ぶ。

そこにかけては子供より純粋かもしれない。

 

あぁダメだったなぁ。何かしてやりたかった。せめて明日の朝一番に電話して「おめでとう」って言おう。

そう思って寝て、朝。目が覚めたら7時半だった。

しまった。

慌てて、一階に降りて行き、スマートフォンを手に取ると、すでに夫からラインが届いていた。かけなおしたが、出ない。もう出社してしまったのか。

(おはよう。誕生日です。51歳だよ。トンさんも、暑いけれどしっかり食べて体調管理気をつけてな)

誕生日なんだよ、僕、と言っているだけのメッセージ。

やられてしまった。

 

電話が繋がった。

「おはよう。おめでとう」

「ははは。自分から言って宣伝してるし。52じゃ」

「おめでとう」

「ありがとう」

それだけだった。

そこからは8月のお盆休みに帰るということ。家族で一泊する予定のディズニーランドの日付の確認、帰省中に義父と食事会をするからその日にちの打ち合わせ。

「じゃぁ今日も頑張って。おめでとうございます」

「はいはい。じゃ」

変に辻褄を合わせるように体裁を整えるだけのプレゼントを贈ったりしなくてよかった。私のために。

ダメなまんま迎えた夫の記念日。

おめでとう。この世に生まれてくれてありがとう。