お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

おっさん、張り切る

夫がゴルフ再度デビューする。

新しい勤務先の有志ゴルフコンペに誘われたそうだ。

「何回も断ったけど誘われてさ。もうこうなったらやるしかないでしょ」

という割には嬉しそうだ。

誘ってもらって嬉しいのもホント。心配なのもホント。

再度というように彼は過去、一度ラウンドを回っている。

本人曰く、お話しにならないくらい下手でいたたまれなかったそうで、当時所属していたところを移動したのを機に、ゴルフから手を引いた。昭和世代の飲みニュケーションを未だに重んじる彼にしてみれば、今回のコンペに参加するその意義は部署の仲間との距離を縮めることかもしれない。

リビングで 両手の握り拳を重ねてブンブン振り回すそのフォームは素人が見ても、なんかおかしいと思う。

本人もそのへんとところが気がかりなのだろう。

「今日、会社の帰りに打ちっ放しにいってくる」

水曜日の朝、意を決したように言う。

「どうぞ。どうせなら先生におしえてもらったら?そういうのあるんでしょ」

うーん、そこまではしない。まあちょっとどんなもんかやってみるだけだからといって靴下をカバンに入れる。

ほとんど初心者ですと、教えてもらったほうが自己流の変な癖つけるよりいいんじゃないかと言ってみたが、それほどのことでもないから、ほどほどにしておくと言って出かけて行った。

「ただいまー」

なんだか晴れやかな顔をして帰ってきた。

「やっぱトンさんの言う通り、今日コーチにみてもらった。なかなかセンスあるって。僕、決めた。これから毎週水曜日、しばらく練習してくる。ちょうど水曜にスクールがあったから申し込んできた」

申し込んできたですとっ?

「いくら」

「16,000円。来週から6回ワンクール。ちょっとやってみる」

あ、そ、そう・・。たしかに私は先生に教えてもらったらと言ったが、まさかスクールに入ってしまうとは思っていなかった。い、16,000円・・・。

「これもいい機会だと思って。ゴルフをちゃんとはじめる」

ホッペを光らせてウキウキしている夫。