お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

だれでも簡単はわたしには通用しない件について

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Mashleyさんというブロガーさんがパンを作った記事を読んだ。

なんか簡単そうに見えて自分でも出来るような気がして、つられて作ってみた。

簡単そうにみえたんだよぉ。

紹介してくれたブログにアクセスしてみたら、30分でできるとあるし。

30分か。それはいい。簡単か。よし、やってみよ。

「なんか腹減っちゃって、昼飯2時っていったけど、もう少し早くていい?」

さっき、レンジで「なんちゃってオムレツ」を自分で作って食べたばかりの息子が二階から降りてきた。

ちょうどいい。ちらりと時計を見て

「1時前には用意してあげるよ」

「ラッキー」

二階に駆け上がっていった。

お昼は焼きたてパンと作り置きのシチュー。素敵じゃないか。

計量して、捏ねて、捏ねて。

イースト菌のこの匂い、大好き。パン作ってますっていう、幸福のかおり。

手にベタベタくっついて、うまく捏ねられない。

ベタベタというより、ネチョネチョして扱えない。おっかしいなあ。

冷蔵庫から強力粉の袋を出して、少し、お盆に出す。

べちょべちょのままやるもんだから、袋の口に生地がくっついた。

あ、あぁ、しまった。しょうがない。いったん布巾で手を拭いて、手に粉をつけ、また捏ねる。

くっついては粉をつけ。くっついてはまた粉をつけ。

童話「7人の子ヤギ」にでてくるオオカミが手に粉をまぶしていたのを思い出す。

どうにかこうにか、丸くまとめたところでハッ。あれっ。

イーストの小袋は3グラムと書いてある。これじゃあ足りないじゃん!

いったんまとめた生地に仕方ないから残り2グラムを足した。追い菌。吉か凶か。ええい、やるしかない。

もう一回コネコネ混ぜ込んで何事もなかったかのように四つに分け予備発酵させ、焼いた。

工程はどうであれ、熱が入るとパン屋独特のあの匂いが台所に広がりはじめた。

階段の煙突を通って二階にもいい匂いはいったようで、腹ペコ男が降りてきた。

チン。できた。

・・・どうだ・・・?見た目はパンだ。どう見てもパンだ。

アクシデントは話さず、シチューと一緒にすまして出した。

「はい、どうぞ」

「パン焼いたの?」

「作ったの」

焼いたんじゃないぜ、作ったんだぜ、そこ大事。

「うわっは。これ、めっちゃうまいんだけど」

あまりの美味しさに笑いながら食らいつくのをみてホッとする。イースト菌の量を間違えたというパン作りにおいて致命的な失敗をしたにもかかわらず、怪しい食べ物にはならなかったようだ。

あっという間に全部無くなりそうな勢いなのを横から手を伸ばし「ちょっとちょうだい」と摘んで食べてみた。

「おお。ちゃんとパンになってる」

なってたなってた。ちゃんとパンだった。

「これ、うまいよ、甘いな、おいしい」

「添加物もないし、焼きたてだしね」と威張る母。

その後ろの台所は粉だらけ。

黒いタートルネックもなぜかまっしろけ。

超簡単なはずのパンも、なぜか私にとっては超簡単ではないということを実証したパン作り。

 

 

 

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