お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

わたしのそれはなんだろう

本をずっと読んでいた。

最近、吸収欲が強い。

なにを吸収したいのか、いまだピントが定まっていないのがもどかしい。ふわふわその日の体調やタイミングや目に入ってきた刺激によって微妙に変わる。

なにをやっても自由、誰にも生き方や考え方を否定されることはない。あったとしてもそんなものにたいした意味はない。

そのことに気がついたばかりのころ、目の前に広がる広大な「自由」に興奮した。

なにをやってやろう。

なにからはじめよう。

親にいけないと禁止されていたことを思いつくままやって夢中になった時期もあったが、それも次第に飽きてくる。

たぶん思春期にみな、こういうところを通ってきたんだろうな。

息子を見ているとそう思う。

中学高校と、夜通しゲームやネットにどっぷり浸かっていたが、あるときから憑き物が落ちたようにそこから離れた。

「あれは俺の黒歴史だ」

とすべてのパスワードやIDを削除した。

そしていつの間にどうやって探り当てたのか、自分の好きなことをやれる学科に移って嬉々としてレポートを書いている。

大学に入ってからがいちばん、勤勉だ。

 

ドトールでなにかに没頭している人をみると素敵だなと思う。

仕事、読書、執筆。その人の世界にどっぷり浸かりきっている。

わたしのそれはなんだろう。

娘であり妻であり母であり妹で主婦であり、ときどき患者の私は気があちこちに飛ぶ。

ちょっとなさけないと思うけれど、今は子供のように思いつきで知りたいことに深く構えず首を突っ込む日々。

形はそのうちできてくるさ。

これはなんとなく日々を過ごす自分へのいい訳のような気もするが、今はそれも「いいのいいの。まずは生きていること」と甘やかす。

追い求めることから一旦離れて。