夢の中
私が見ている今のすべては、私だけの景色なんだなぁとふと思った。
場面場面、共有したと思っていた家族も友人も、同じ場所に居合わせた登場人物なだけ。
同じ映画を観ても視線も集中するところも、違うように、同じ部屋にいても意識の行く先はやはりそれぞれ。
言葉なんて、不確かで、心許ない。
やり取りをするための記号にすぎない。
私たちは、やわらかく繋がっている。
何を見て何を思うか。
何が真実か。
どこに焦点をあて、価値を持つか。
なにを感じ、表現するか。
やわらかく違い、やわらかく一致している。
私は、形もないなにかが、絶対的な真実みたいなものがこの世にはきっとあると思いこんで、探して探して探して、求めてたのだ。
今見てるこの光景も私だけが見ている夢かもしれない。