夜中の小人
昨日の夜中、眠りが浅く、目が覚めて朝だと思ったらまだ1時半だった。
一瞬、絶望的な気持ちになる。
いや、待て。落ち着け。夜中だから寝なくてはいけないと焦ることはない。
せっかく夫が単身赴任中なのだ。時間はもっと自由に使える。
ムックと起き出して一階に降りる。疲れてそのままにしていた、夕飯のお皿を洗う。
洗濯機を回し、お風呂の追い焚きをして、湯に使った。
湯船の中で髪を洗い、石鹸をこすり、体も洗う。持て余すほどの時間があるので、こめかみから、足の指の間まで、丁寧に丁寧に洗った。
何時までにあれして、あと何分ある?
そんなの一切関係ない。時間は全て私のもの。
最後に湯を抜きながら風呂中を掃除した。一応洗うっていう毎日の作業と違って、出てくる泡がぶくぶく膨れて滑るのが楽しくて、隅々まで洗う。
髪を乾かし、ボディクリームを塗って、ポカリを飲んで、3時。
ちょうど洗いあがった洗濯物をハンガーに吊るし、それらを持ってまた二階に戻った。
少し、眠い。ベランダにそっと干す。新聞が届いた。
ベッドに潜る。安心して潜る。
開けておいた窓からオートバイの音、洗濯物のいい匂い。
目がさめると、綺麗に片付いた台所にお風呂と洗濯物。
夜中に小人が現れたようで嬉しい。