お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

紐がほどけて

昨日、従姉妹が横浜元町のギャラリーで小さなイラストの個展を開いた初日だったので母と一緒に出かけた。

子供時代からずっと疎遠になっていたので私だとわかるかどうか憂鬱だったが、彼女は自然に出迎え喜んでくれた。

痩せすぎでほぼ顔つきも変っている自分の姿で人に会いに行くとき、相手がぎょっとするだろうと思うとなかなか出て行く気になれない。

今も昔の友人やママ友の集まりに参加する勇気がない。

それでも何十年ぶりの彼女がスルッと迎え入れてくれると、あれ、私だけがそう思っているだけで案外そう気にすることなかったのかとチラリと思う。

いつか言われた「痩せすぎでみっともない」という言葉に縛られてしまった私だけがそこにこだわっているだけなのか。

痩せすぎだけどみっともなくはない・・・のかもしれないぞ。

話し始めると従姉妹は昔、夏休み遊んだ頃の雰囲気そのまんま持ちあわせていた。

私が顔を出したことを喜んでくれた事が意外で拍子抜けしたのと同時に、どうしてそんなに喜ぶんだろうと不思議に思う。

私の思っているのとまったく違うところで回っている地球があるのかもしれない。

私の外見なんかあまり気にしていなくて、会話とか人間味とか、そんなものを見てくれて受け入れてくれる優しい世界があるんじゃないか、ひょっとして。

とても優しい世間が、あるんじゃないの、もしかして。

 

とは言ってもいまだ一歩踏み出せず家にいて、安心しているが、もう少し待つと自分を縛っていた紐がほどけて

「ええい、いってまえ」

と人の中に自分から入って行く日がくるかもしれない。

そんな薄いけれど、キラッとした希望を昨日、感じた。