共白髪
今朝目が覚めて時計をみると6時だった。
夫はまだ気持ちよさげに眠っている。
「六時だよ」
反射的に
「ありがとっ」
とがばっと起き上がり数歩歩き
「・・・今日、土曜じゃなかったっけ」
あ。
そうでした。
「ごめん、間違えた」
「ありがとね、起こさなくちゃっておもったんだね」
また目を閉じ数秒もせずに深い眠りにもどった。
こういうとこだよ。
この人のいいところは。
気難しい人だったら、せっかく眠っていたのにと不機嫌になるだろう。私がやられたら間違いなく「もーっ!」という。
わかってるんだ。
こういう大雑把でこだわらない気のいい長所がある人だから「ごめーん」とケロッと約束を忘れたりするんだ。
木曜日のあれはたいしたことじゃなかったかもしれない。
「信頼関係は大事。約束は守んないと悲しませるからな。トンさんさと共白髪なんだから」
あれ以来念仏のようにそう言っている。
この人との老後二人暮らしは気楽な毎日になりそうでいいな。
今は忙しくしている彼が定年退職した後の生活が楽しみだ。
やっぱりこの人と私は割れ鍋に綴じ蓋。