お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

心地よく

引き続き体調がよろしくない。

たぶんこの急激な気候の変化に脳と身体がうまく反応できていないんだろう。

反射神経と運動神経が鈍いから、そんな気がする。

相変わらず日向でウトウトして午前中を怠惰に過ごす。二日目になると、至福感も弱まりなんとかシャッキリしたいと思う。

台所の模様替えをした。どうも今の配置は動線的に使いづらい。リビングとカウンターバーで仕切っただけの狭い水回りに配膳台テーブルと調理容器を乗せたワゴン、ゴミ箱、そして冷蔵庫に洗濯機がぎゅっと詰まっている。

隣は風呂場なのでその一箇所で家事のほとんどがこなせるのは便利なのだが、狭いので動きづらい。

テーブルの向きを変えてカウンターに寄せ、ワゴンを勝手口に移動させた。ゴミ箱はシンクの脇に置いて調理しながら出た余計なものはすぐ捨てられるようにした。

この家に住み始めた頃は、まずは見栄えで家具を配置した。

パッと見、すっきりしている方が好きだ。極力余計なものは買わず、少ないものですっきりとをモットーにできるだけ小洒落たキッチンにしようと目指していた。

鍋は使ったらすぐ洗い、しまった。ガスコンロの上はいつもやかんだけにしている方がカッコよかった。フードプロセッサーやハンディミキサーも欲しいと思ったが「置く場所がない」との理由で却下した。すっきり暮らすのは結構根性がいった。

服装もそうだが、最近はもう、着心地、使い勝手重視になる。見てくれよりも心地よさ。自分がご機嫌でいられる形態をとことん追求する。

会社勤めをしていた頃はお腹を締め付けるようなコルセットを身につけ、少しでも体型がマシに見える服装をした。今思うと、よくあんな鎧のようなものを毎日毎日しながら仕事ができていたものだ。

服を買うときの現在の基準はとにかく身体が楽なもの。肌触りの好きなもの。好きな色。洗濯機でジャブジャブ洗ってもへこたれないもの。これに尽きる。

台所もそうなってきた。

チマっと狭いところにハンディミキサーやトースターやレンジ、お玉に鍋も全て手の届くところに置いてある。ふらっと来て、なんとなく少しだけ下ごしらえしたりする。洗った皿を載せて置くカゴも大きさサイズの方が便利なので、でんと存在感のあるものをシンクに載せてある。鍋も洗いあがったそばからガス台にまた戻す。常にスタンバイしている。こうしてからは、料理をすることへのハードルは明らかに下がった。日常の流れの中にストンと収まっている。

台所の配置換えをして、動きやすくなったところで冷蔵庫を開ける。昨日買っておいた鶏胸肉を取り出して、少し考える。

チューブのおろし生姜とおろしにんにくをビニール袋に絞り出し、醤油と酒を少し入れて、鶏肉をそこに漬け込んだ。

片栗粉と小麦粉をだいたい同じくらいの量をまた別のビニールに入れて、鶏肉をそこに移し入れた。

夕方、これを揚げよう。

日常がゆっくり自分の速さで過ぎていく。

模様替えをしたようにちょっと新鮮になった台所。

新学期に向けて机周りを大掃除する春休みのようだ。