ぶっ飛びベッドカバー
ベッドカバーを買った。
センスのいいブロガーさんのお部屋を見ていて、私も無印良品のグレーの無地にしようと憧れていたのだが、なぜか全く反対もいいとこの、ド派手なインド綿の赤やオレンジの花柄を買ってきてしまった。
インド綿が好きだ。あの使い込んでいくにつれ、よれっとする感じ、乾いたときのちょっと荒い手触り、それからぶっ飛んだ色彩。
手にとって選んでいると、お店のおじさんが広げてくれた。「買わなくてもいいよ。見てって。楽しでしょ」。
ベッドカバーにしたいんだと言うと、それならこういう模様が売れてるね、と薄いベージュに茶色の小花が飛んだおとなしいものを広げてくれた。それも可愛いのだが、さっきからその奥にある、オレンジピンクの混じったド派手なのが気になる。
「これ、見てもいいかな」
「お、これ?いいよいいよ、僕はこれ好き」
広げてもらったらパーっと明るい。これをベッドに乗せたら圧迫感ありすぎるかと迷ったが、好きなのはこれだった。
「これにする」
おじさんは、いいねいいねと喜んで、おまけに木製の木ベラをつけてくれた。
帰ってベッドに広げる。
馬鹿らしいほど陽気でおしゃれのかけらもない。なんというか、昭和感色濃い部屋になった。
だが、嬉しい。
部屋に入ってくるたびにこの、馬鹿げたベッドが「おかえりぃ」と脱力しながら迎えてくれる。
朝目が覚めて、ベッドメイクをして広げると、意味もなくニマニマする。
深刻さがなくていい。
このベッドにゴロンとしながら窓から空を眺めると
「ま、難しいことはどうでもいいんじゃん?」
と愉快になってくる。広い広いところに飛んでいく。