嬉しいか嬉しいよ
何を間違えたのか、生協から人参と卵が二つづつ届いてしまった。
人参は息子が苦手とする野菜なので、調理法が限られる。カレーやポトフにしてしまえばあっという間に消費できるのだが、もろ、the 人参!というのは嫌がられる。
タラコと人参のシリシリを大量に作った。これはウケがいい。これで二本。あとはキンピラ牛蒡にして・・・まぁ残りはゆっくり使えばいいや。
問題は卵。鮮度が落ちるから、なんとなく時限爆弾を抱えてしまった気分になる。
オムレツとオムライスを作って冷凍。タマネギと人参と挽肉を炒めて、卵で包む。息子の朝ごはんに使える。リンゴケーキに一個。目玉焼きに毎朝二個づつ。それでも追いつかない。
「あ、俺、今週の火曜から冬期休暇に入るから、土日以外は家にいるんで」
今朝、目玉焼きを乗っけられたカレーライスを食べながら息子が言った。
なんといいタイミングだ。よかった。これで、うまいこと使い切れる。昼ごはんのたびに卵料理にすればいい。
「あら、よかった」
つい弾んだ声を出す。
「なんだ、俺が家に毎日いるのがそんなに嬉しいか」
「そりゃ嬉しいさ」
「そうか嬉しいのか」
美しき誤解は美しいままがいい。