お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

とばっちりをひょいと交わす

そして、息子が大学のコース選択と就職を考えすぎて、暗い。

彼の癖なのだけれど、何も起きていないときから、いらぬ想像をして、勝手に暗く落ち込む、いつものパターンを夕食時にする。もう、こっちまで食事が喉を引っかかる。

「気持ち悪い・・・」

いかにも深刻そうにお腹をさするけれど、見ればグラタンと卵二個使ったひき肉入りのオムレツとご飯山盛り一杯食べている。残っているのは味噌汁と野菜炒め。

「・・・はぁ・・。食欲ない・・・残していい?」

「どうぞ」

暗さを払拭しようと意識的に少し高い声で返事をしたのが気に入らなかったらしく、苛立った足音をわざとさせて二階に消えていった。バタンッ!ドアを閉めるのもわざと荒い音を立てる。

残されたこっちの方が暗い気持ちになる。

テレビで歌番組を見ても、番組を変えてゲームを見ても、つまらない。

一人、コーヒーを入れ、アイスを食べて「私が責任を取ることじゃない」と自分に言い聞かせる。

そうだ。

二階に上がる。さっきの続きをしよう。

パソコンを開くとそこに、さっきの続きが待っていた。

「息子、大学一年、夏休み、就職活動もする前から就職できなかったらどうしようとブルーになる」と書いた。

すっきり。

書いちゃうと、どうってことないことになる。

息子の心の不安定まで私が責任を取らなくていいのだ。

私は、穏やかで、できるだけご機嫌でいられるようにと自分のことだけ保つようにすればいい。私が責任を持つのは自分なのだ。

さぁ、寝よう。

明日も早起きだ。わがまま息子が四時半に朝食だ。

頑張れ息子。