秋のはじまり
運動会の予行練習だろうか、アナウンスが聞こえる。
近くの運動公園のグラウンドからだろう。その声は係りの女生徒みたいだ。
可愛い、高い澄んだ声がマイクから風に乗ってくる。
「生き残った人はそのまま、隅に寄ってください」
「生き残りの方は、速やかに移動してください」
生き残り・・・?え、いきのこり?
「生き残った騎馬は急いで端によってください」
あぁ。騎馬戦か・・・。
男子決勝リレーの人は急いで招集してください!
応援する人たちは、ルールを守って応援しましょう!
叫ぶように、しかしゆっくりはっきりと支持を出す学生の声。
熱。情熱。
いいなぁ。こういう音が聞こえてくる昼下がり。