お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

お母さんは正解ではありません

息子がちょっと真面目に進路のこと、人間関係のことで悩んでピリピリしていました。

あのさぁ・・と夕飯時に愚痴りながら、同時に私の意見を探ってきます。

彼にしては珍しい。これまで、割と、こう、と決めたらブレることのない性格なので、こうやって考えを求められることはあまりありませんでした。

「そうだね。私だったら・・・」

こうするかな。と言うと

「じゃ、やめろってこと」

と言います。そうじゃない。私だったらの話です。私の性格で、私の気性だったらこういう考えのもと、このような発想のもと、こうするかなという、話です。

それでも延々、二週間ほど、毎晩、禅問答のような食卓が続きました。

彼は私の考えは、自分にとっては違うと思うのです。なら、思った道を進めばいいのに、まだ決心がつかないのです。

「だからさ、好きにすればいいじゃない」

と言ったら、怒り出しました。

「俺のことはどうでもいいのかよ」

そうじゃない。そうじゃないんだよ。

「お母さんが正解じゃないんだよ。正解はたくさんあるし、一つもないし。もっといろんな人の意見や考えを頭にインプットして、父さんでも、先生でも、本でも、友達でも。それで、その情報を元に、最後、決めるのは、君だ。君しかいないのだ。君のことだから」

どこか初めてのところに行く時も、本を買う前も、映画を見る前も、あらかじめネットで世間一般の声や、決まりを調べて、そつなく失敗なくやろうとする息子。

私のように、壁にぶち当たってもがき苦しむのとは正反対です。

もがいてもがいてもがいて、知った真実だけを伝えます。

正解は、ない。全部、正解。

そして、どこにも、完璧は、ない。

頑張れ息子。

母から見れば、いつも、どんなときも、君は完璧な存在。