お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

寝室にあった夫の大きな机が赴任先に移動したので、部屋ががらんと広くなった。

嬉しい。部屋にあるのはベッド二つと鏡台とテレビ台、小さな本棚。8畳なので、人によっては、「がらんとなんかしてない」と言うかもしれないが、ガランだ。

床に積まれた本、紙袋、机の下の本、雑誌、机の上の・・・。そこに、幅140センチのデスク。そして椅子。これが一気に消えた。

天気のいい午前、二階に太陽の光がたっぷり入り、床を照らす。

私のベッドを動かしてみた。部屋の中央ど真ん中にどんと、持ってきた。女王様のベッドのようだ。足元にテレビを置いて、寝ながら見られるようにもしてみた。

ウキウキしてきた。そして、はっとする。

いかん。今からこんなに快適を追求したら、夫が帰ってきたとき、この配置を元通りにすることが苦痛になるかもしれない。

また元に戻す。

洗濯物を干しながら、ふと思った。

あぁ。私はいつもこうして、先を先を想像して、自分を心地よくさせることからあえて遠ざけるようにしてきた。あんまり甘い蜜を吸うと、後で、辛くなるなんて、どうして決まっているんだろう。自分のちっぽけな発想を確かなものとして、今を押さえつける。

二年後の事なんて、わかる由も無い。

明日のことだってわからないというのに。

また、ベッドをど真ん中に置いた。