お籠り基地
納戸に自分の小さな基地を作った。
寝室に置いてあった高さ1メートル暑さ20センチの本棚を持ち込んで、折りたたみのデッキチェアとIKEAで買った5000円のグラグラするサイドテーブル、無印良品の電気スタンドにラジオ。
窓際の2畳ほどの余ったスペースに自分だけの場所ができた。
リビングも寝室とも違う。この狭い空間。篭る感じがワクワクする。
狭い納戸の扉を閉めると、一瞬にして家事から家族から、遮断される。
この快感はたぶん安心して、自分空間に入り込めるから。
家にいると、家族が不意に話しかけてくる。だから、私は家では思考の旅には出ない。娘と母と妹としてスタンバイしている。
一人っきりになった時、頭の中は心と繋がって、自分の中に潜っていく。深く深く潜っていく。
そのとき私は、昔からの一番の友達、自分に会って心の中でおしゃべりする。
自由なとき。
頭がほどけるとき。