お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

黒いスーツケース

昨日は結局、息子は夜の10時半に起きてきた。自分の誕生日なのに、「ごめん」となんども謝る。私が二人でパーティーをしようと楽しみに待っていたと思っている。

私は一人の夕食を噛み締め、それはそれで良い時間を過ごした。

11時にハンバーグとケーキを食べ、「明日も早いから、もう寝よう」と、さっぱりささっとお祝いして就寝した。

 

四時起床で息子を送り出し、久しぶりの朝の散歩をして、遅い朝食のあと、ゴロゴロしていると、夫からラインが入った。

「スーツケースが届きました。来週からタイです。楽しんできます」

・・・浮かれている。真新しい黒いスーツケースの写真が添付されていた。

来週、単身赴任先の皆様と職場旅行でタイにいく。自由参加なのだが、親睦を深めるいいチャンスだから行くと言っていた。

「いくらするの?」「18万。食事やお土産が入ってないから20万はいくかな。」

ふ〜ん。いいねぇ〜。

いや、仕事だから。

スーツケース、レンタルでいいんじゃないのと言ってみたが、「俺、どうも、借り物って嫌なんだよね」と、新品を買ってしまった。1万3000円。

写真を見て、一瞬、「う」と思ったが、よく考えてみれば、遠いところで一人、社員旅行に行くのにウキウキスーツケースを買ってご機嫌でいる夫がいじらしくもなる。

「みんなと仲良くなれるといいね。楽しい旅になりますように」

と返事を打った。

スタンプで目をキラキラさせているキャラクターが腕を組んで「ありがとう」と戻ってきた。

息子も夫も、それぞれがそれぞれの道をまっすぐ進んでいる。