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ただの毎日の中で。専業主婦の平和すぎる日常

自分の思っていること、ちょっと引っかかったこと。誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

清涼感アップ

昨晩、歯を磨いている時に、なんか変な匂いがした。

いつもと違う。けれど決して、嫌な匂いというわけではないのだけれど。なんか変。

なんか変かなぁと思いながら歯を磨く。泡、あんまり出てこない。いつもは口からポタポタ、こぼれちゃうんだけどなぁ。

・・・・!もしかしたら・・・。

そっと飲みこまないように気をつけて、口から出した。

ゆすぐ。ゆすぐ。ゆすいで、ペッペッとしっかり口から出してまたゆすいだ。

おそらくこれは。息子の洗顔フォーム。男子向けのスクラブ入りで清涼感のあるのを昨日買ってきた。それを初めて使った時、彼は

「なんだっこれぇぇぇ!」

と悲鳴をあげた。

「顔がヒリヒリするっ。顔がっつ」

その時は、そりゃ清涼感アップって書いてあったんだから、そんなもんだ、朝、目がしっかり覚めていいじゃないかと笑って流した覚えがある。

それだ。私が口に入れたのは。歯磨き粉のチューブの隣に並んであったから間違えたのだ。

飲み込まなくて本当に良かった。

 

 

私も母もどこかの誰かも、同じ、ただの人。

最近、母のことがそれほど恐ろしくなくなってきた。

今でも一緒に長時間いると、苦しい。できれば、離れていたい。

それでも、「とにかくなんだかんだ言っても、可愛い人だ」と思う。あれだけ、恐ろしく、恐怖の元だった人なのに、この展開には自分でも少し意外だ。

私は息子を育てるとき、「私がこうなってほしい、と言う理由だけで彼を追い立てないようにしよう」ということだけ気をつけた。そりゃ、勉強もスポーツもこなし、たくましく少年から青年へと爽やかに成長してくれれば、私の理想だけれど、そうはいかなかった。幼いながらにも彼には彼の理屈があって、優先順位もやりたいことも、欲しいおもちゃも本も、全て私の思っていた男の子とは、ずれていた。

今では格好いいこと言っているけれど、小学校低学年の頃まではやっぱり諦めきれず、もっと運動して欲しい、もっと外遊びをして欲しい、もっと、もっと・・・と自分の好みと実際の息子とのギャップにいつも埋めよう埋めようとあれこれ策を練ったりしていた。その時は、彼の望むこと、喜ぶことより、自分好みの息子かどうか、それが大きかった。

ある時から、それを手放した。いよいよ私の体調も悪くなり、戦うだけの気力もなくなってきたので手放すしかなかった。

どういう大人になっていくのか。それを邪魔しないでただ、ひたすら花に水を与えるみたいに、じっと見ていく。そう決めた。

弱った今の自分が中途半端にあれこれ枝を剪定して、致命的な傷を残すくらいなら。そうしよう。腹をくくるしかなかったのだ。

単純だから、そう決めた途端、彼の言ってくること、やることなすこと、何もかもが面白くなってきた。何しろ、私に責任はないのだ。こういう人にならせようと言う設定がないのだから。ただ、心と体だけは健やかに。そこだけ。ぐっと気が楽になった。

そんなざっくりした子育てだから、息子は超優秀な成績でもなく大学に進学したけれど、確実に自分の好きなもの、人、やりたいことが自分の中にある。ネットもテレビも流行りもチェックしてるけれど、それを眺めつつ、自分の道を進んでいる。

人は、もしかしたら「こういう人間になる」って決めて生まれ来ているのかもしれない。

それを私ごときが、浅知恵であれこれやったところで、無力なのだ。引っ掻き回して混乱させて、下手すると進行方向を見失ってしまうところだったかもしれない。

 

母も、こういう人として生きるって決めて生まれてきたのだ。きっと。

そして、私も。

そう考えたら、いろんなことがもう、どうでもよくなった。

理解して欲しいとか、そんなことすら。どうでもいいや。

 

我もただの人。彼もただの人。みんな、みんな、ただの人。

そして、みんな、それなりに一生懸命。

可愛い人たち。私たち。

 

 

ひとやすみ

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朝の散歩。

いつもは一周の公園のランニングコース、今日、気まぐれで二週目。

あれ、結構いけるかな。

知らないうちに筋肉ついてきたのかしら。

 

後半、疲れてコースの脇でひと休み。

目の前をランニングして行く人たちがすごい速さで走っていく。何人も何人も。

私は痺れた足をひと休み。

乾いた風が擦り抜けてゆく。浅くなってた呼吸がゆっくり深くテンポが優しくなってきた。

走るみんながんばれがんばれ。

すごいなぁ。

 

たっぷり休んだらまた少し歩こうか。

休んでいいんだなぁ。

休んでいいんだ。

導かれて

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ブックオフ、これが200円なんて。

携帯電話の故障を見てもらいたいから一緒に行ってよという用事が済んで、店を出た。これから目医者に行くという母と別れぎわ、なぜか口から「私もブックオフ寄って帰るわ」と出てきた。

全くそんなつもりもなく、ドトールで持ってきた本を読んで帰るつもりだったのに。

これじゃない、これでもない。

ピンとくるのはこれじゃない。

店内をさまよって見つけた。

これだ…きっと。

 

数ページ、めくって読むと、細かい文字びっしりなのに、なぜかワクワクする。

まるで子供がもっとお話し聞かせてと桃子さんにねだるよう。

もっと、おはなし、聞きたい。この桃子おばさんの。

 

ドトールで、すぐ、ひろげる。

そこにはじっくりと練り上げた、深く温かい考察が綺麗な日本語で凛と書かれていた。

時間はたっぷりある。

この本も味わうエッセイがたくさん収まっている。

魂がつながっていく。私も桃子さんも飛び越えて。

 

そういえば、昨日の美容師さんも、桃子さんだなぁ。

居場所

昨日、髪を切った。

「そんなピカピカにしてこないで大丈夫だから。うちはそういうお店だから」

店長さんに私にとって美容院に行くというのはとてもエネルギーを要することであり、体力と精神力とのバランスが揃ってえいやっと行動を起こせるところなんだという話をしたらそう言われた。

「そんなバッチリにしてこられたら迎えるこっちもなんか緊張しちゃう」

こんな会話ができて嬉しかった。また一つ、自分が素になれる場所ができた。

「ヨレヨレになったときこそ本当は来たいなって思うのよ」

今度は、やつれたまんまでも、癒して欲しくなったら行くねと約束した。

 

今朝、鏡を見て、昨日の朝と違う髪型。気に入っているので嬉しい。

これでいいのかしら足りてるかしら

朝、息子の食べたもの。

小さめのご飯茶椀二つ。一つは昨日のカレーの残りにチーズをかけて焼いたもの。

もう一つは温泉卵と鰹節をかけて上から醤油をかけたネコマンマ卵ご飯。

それとイチゴ5個とミニトマト3個とヨーグルトとヤクルト。

スライスチーズ一枚と卵一個がたんぱく質。足りてるだろうか。

昼はおにぎりだけだから、夜、お肉をしっかり食べさせよう。

肉、肉、肉。

毎日それが頭の隅にある。

 

息子の身長は164センチ。大学一年生の男子としては小柄だと思う。

高校3年の入り口あたりは160センチギリギリで、ハラハラしていたから、ここまで大きくなって嬉しい。

自分の好みではない。息子自身が、同世代の仲間の中で小さい自分をコンプレックスに思うことが心配だった。陽気そうにしていても、時折、そんな風なことをつぶやいていた。

私のせい。

その思いが離れない。

息子を授かった時、心身ともに弱っていた私は満足に食事が取れなかった。あんまり取れないものだから、やっとの思いで食べるとすぐお風呂に入って血の巡りを良くして、彼の元になんとか届けようとしていたくらいだ。

「ほら、今、栄養送ったからさ。しっかり身体作るんだよ。遠慮しないで、いるだけ持っていってね。耳とか、目とか、細胞とか、作ってね。」

一人、湯船の中でブツブツ語りかけていた。

幼稚園の頃、小学校低学年の頃。一番身体を作っていくときに、私は必死で台所をこなしていた。気力だけの家事。食卓に上るものも、焼き魚、オムレツ、焼きそば、カレー、生姜焼き。ドカンとボリュームのあるものを出してやらなかった。長時間立っていられないのでハンバーグや餃子など、相当覚悟しなくては作る体力がなかった。

要領も悪く、体力もなく、自分に自信もなく。

息子の基盤をしっかりとしたものにしてやれたのか。やれていなかったのではないか。そこまで思いつめることはないのか。みんな、どこの家庭もそんなものなのか。

あの頃の記憶がないので、本当にわからない。

でも母として本能的にせめて、わずかながらも動けるようになってきた今。充分なことをしたいと思う。

息子のためなのか、自分のためなのか。

毎日息子と二人で食卓に並び、彼の方にはお肉を一品、多く出す。そっとベビーチーズも置いておく。きんぴらには豚肉を入れる。

それを気づかれないように横目で見て食べる。多すぎて持て余している時、「食べてくれぇ」と念じつつ、チラチラ、そっと見る。持て余しつつも完食すると「よし」心の中で握りこぶしでガッツポーズ。

ダメな時は「頑張って食べて」と言いたいのをこらえて、

「多かったら残してラップして冷蔵庫入れておいて」

と潔く引き下がらないと、お互い意地になる。

今朝もミニ茶碗二つという朝食を彼が平らげると、ホッとしつつ、これで足りてるかしらとモヤンモヤンとする不器用な母。

 

予行演習

私は頑張らなくても、価値がある。

そう、勝手に決めた。まだ、どっかで、「どうかな、そんなに不遜な考え、私ごときがしていいのかな」と揺らぐ。

でも、多分、そう。存在しているだけでいいんだじゃにかな。

楽しそうにしてれば。

いや、楽しそうじゃなくても、もがいていても、やっぱり存在している、だけで何か違う空気を作り出しているんじゃないかな。いいとか。悪いとかの存在意義じゃなくて。

ただ、居ること。それだけでいい。

 

疲れてくるとこんなことを思う。

不意に髪を切りに行きたくなった。いつもは髪が伸びて不恰好になってきても

「今は痩せちゃってるから」

「疲れてうまくおしゃべりできないから」

なんて思って、予約するのをためらっていた。私にとって美容院に行くというのは相当エネルギーを要する。できるだけテンションを上げ、お店の人に失礼にならない程度に身ぎれいにして行く。話しかけられたら、陽気にサービス精神でおしゃべりをする。

・・・よく考えたら。癒されたいときに行きたくなるのに、なぜ消耗するの。

そうだ。こういうところも、少しづつ、変えてみよう。

そんなに頑張らなくても大丈夫。間の悪い返事でも、ずっと目を閉じてても、雑誌読んでても。格好も、普段のまんまでいい。そんな、いちいち、素敵な奥さんぶらなくっても。ちょっと変わった、力の抜けた、そういう人なんだなってことでさ。

 

などと、カレーを作りながら、ムラムラと思い始めた。

よし。今だ。

火を止め、すぐにインターネットでいつも行ってる近所のお店の空き状況を見る。

今は2時。ちょうど2時半からの枠が空いてる!

一瞬、怯んだけれど、自分を励ます。予約を入れて、すぐ、家を出た。

なんだ、こんな簡単なことか。

自分が大きな変化を遂げているような高揚感で道を急ぐ。

お店について、ドアのガラス越しに中を覗いた。店長と目があう。

「いらっしゃい。どうする?予約する?」

意味がよくわからない。今さっきネットで予約したから、まだ彼女は把握してないのかな。

「あ・・あの。さっき。パソコンで予約を入れたんだけど。今日、今の時間に」

「え?今日はいっぱいで入る枠ないはずだけど・・・あ。明日、明日入ってる。2時半。18日、木曜。明日だよ」

え。恥ずかしいのと、勢い込んだとこからのがっかりと、あぁまた、やっちゃったという思い。

ごめんなさい。と謝って店を出た。

今日のは予行演習。そういえば、髪ボサボサで、ほぼすっぴんで、ジーンズに夫のおさがりのヨレヨレのトレーナーで行ったけど、店長さんはいつものように迎えてくれた。

明日は、ちょっとドキドキしないでいけそう。