古本まつり
息子はバイト、夫はテストに出かけた午前中、なんだか気だるく洗濯物を干した後、そのままベッドに寝転んだ。
手持ち無沙汰にiPod touchでゲームをやってみるも、その自堕落さに気が引けて、すぐにやめた。
昨日今日で古本まつりをやっていると、姉が出かけていく。
ああ神保町・・・。
私の故郷、神保町。
中学から結婚するまで住んだ街。
一番泣いて、悩んで、恋をした甘酸っぱく、切ない街。
私も行こうかな。
いやいや、特に欲しいものがあるわけでもなし、また疲れて体調崩すかもしれない。そんなとこに行く元気があるなら衣替えしないと。行けばきっと何冊か本を買って無駄遣いしてしまう。
・・・・・行こう!
今日はもういいや、すべて放り投げてしまえ。いこっかなと思ったんならいってこよう!疲れたらその時はその時だ、夕飯の支度も何もかも、どうとでもすればいい。
すぐさま姉にラインで「これから行くからどこかで落ち合おう」と連絡を入れ、ジーンズに白シャツ、カーディガン、スニーカー、パパパっとファンデーションと口紅に布図田袋で家を飛び出した。
案の定、本を三冊買ってしまった。
古本祭りの呼び物の安売りでない。掘り出し物には変わりないが、稀少本だったので値引きはしてなく、3300円。
しかし悔いはない。
近所の本屋じゃ出会えない本に、ワクワクアゲアゲの高揚感、合わせてこの値段だと思えば十分満足。
お店の人との掛け合いや笑いを交わしているうちに、ここに住んでいた頃の下町っ子魂が蘇る。モヤモヤしていたものがシュンッシュンッと昇華されていくのがわかる。
祭りはいい。
わけのわからないエネルギーがあるようだ。
元気注入。