お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

夫、とばっちり

息子がバイト先で新しいセクション(部署とか仕事というと、『セクション・・な!』と拘る)をまかされることになった。今日から四日間、そのトレーニングを受けている。

「今日のトレーナーさ、俺と同い年の長男と次男は高校生なんだって。すごいよな。7時から4時まで働いて」

働く母兼、管理職の女性に心底驚いていた。

「すごいねぇ」

すごいと思う。

私はたった一人の夫とたった一人の息子と家事だけでフウフウいっている。加えていうなら、それだけだというのにチョイチョイ「ごめん、今日、ちょっとダメなんで先に寝る」とすぐ車庫にもどって横になる。

「そうか。すごいなぁ。立派だよなぁ。私はなんにもできないなあ」

思わず言ってしまった。

「うま飯作ってるじゃん」

さらっと息子が言った。優しさである。それほど料理上手でもないのだ、私は。

「あの親父の面倒みてるじゃん。あの親父とやってられんの、母さんくらいしかいないし」

あ、気を遣わせた。

iPhoneから目を離さず深刻でないふうに言うのは困ったとき照れ臭いときの癖。

呟く相手を間違えた。こんなこと、ボソッとそれこそブログ上で呟けばよかった。

息子相手に言うことではない。「へぇ、そんなんだ、すごいねぇ」でおわっときゃよかった。

ほんとだよ、アタシャあのわけわかんないおじさんのお相手をするので精一杯だよ、そうだよあのクソ親父、自分の楽しみにだけ金使いやがって週末は母さん放ったらかしだし、居れば一日中寝てるかテレビで一歩も外にでないし、と、そこは夫に悪者になってもらい、笑ってその話は終わった。