お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

不公平

携帯のアラーム音が鳴り続けている。

眠い。深い眠りの中にいたのに。珍しく。誰だ、こんな時間に目覚まし鳴らしてるのは。あ。今日は土曜日。まったく・・仕方ないなぁ・・・。

てっきり息子がセットしたのに起きられていないのだと、廊下に出ると、そこでキンコンキンコン大音量で時を知らせていたのは夫のiPhoneだった。

人のだからどれをどう操作したら止まるのかわからない。あれこれやって、どうにか音は消えた。

息子はと覗くと、ベッドは空で、階下からレンジがピーっといっている。とっくに起きて朝食の準備中らしい。やれやれ。

寝室のドアから

「あ、鳴った?止めた?息子、起きた?」

夫が顔を覗かせていた。

「なんで土曜なのに目覚ましセットしたんだよぅ」

普段眠りの浅いものは、気持ちよく眠れていたところを強引に起こされるととても損した気分になり機嫌が悪い。

「え、あ、息子が寝坊したらいけないと思って」

ばっかじゃないの、もう大人なんだから勝手にやるよ、だいたい寝坊したって自分で責任とればいいだけのことでじゃないよ、もう、せっかく気持ちよく寝てたのにぃ。

「ごめぇん、トンさーん、ごめんなさい。うふふふ」

「バカっ。笑うなっ。笑えないっ」

「ごめんー。ふふふふ・・・」

腹立たしい。実に腹立たしい。これが原因で一日中不機嫌な私は夕飯時にまたそれを息子に告げ口した。

息子は呆れ、夫は笑い、私は実に腹立たしいとまたふくれた。

今朝。

パッと目が覚めたら6時半だった。

今日はアラームが鳴っていない。バカだな。今日は鳴らさないとダメな日でしょう。

「6時半だよ」

返事がない。

「6時半だよっ」

もう一度大きな声で夫に呼びかけた。

「えっ?あ、おはよ。」

「6時半になってるよ、もう」

息子のためにアラーム鳴らしてる場合じゃないでしょう。

すると夫が言う。

「でも、今日、休みだよ、山の日の振替じゃなかったっけ」

・・・・。

「・・・・そうなの?」

「そうだよ」

あら、ごめんなさい。もう一回寝て。ごめんね。

とは言わず

「ふーん、そう、じゃ、もちょっと寝る」

ひどい妻ですねぇ。

「あ、今日ゴミの日?」

「あ、そうだ」

「いい、父さん出してくる、寝てなさい」

「ありがと」

ひどい妻ですねぇ。

夫は深い眠りを起こされても怒らず突っ込まず、そうだそうだとゴミを出しに行ったのでした。

そして私はこの件に関しては夕食時、触れるつもりは一切ない。