一瞬
久しぶりに詩集を注文した。
詩集とそのひとの書いたエッセイと。
ずっと楽しみに待っていたのを郵便屋さんが持ってきた。
いそいそ袋を開けてさっそく開く。
午前中。洗濯は終わり、風呂掃除もトイレ掃除も終わった、昼前のひとりの時間。
キリッとそぎ落とされた言葉の詩だ。
ちょっと難しい。わかるようなわからないような、掴めそうで掴めない。
イマジネーションと厳選した言葉と哲学。
信号のよう。
この人をもっと知りたくてエッセイを開く。
エッセイは詩を読むためのナビゲーターのために買った。
柔らかい言葉で彼の日常の一部分が伺える。その会話や文章のところどころに、著者の気質や価値観や癖のようなものが隠れている。それを詩を読むときのヒントになると拾っていく。
さっきの難しかった信号を書いた人が少し、こっちに来た。
もう一度詩を読む。
声に出して読んでみる。
さっきよりお友達になれそうな気になって嬉しくなる。
ときどき庭の緑をみる。
空を見る。
また、本に戻る。
するするするっと頭の中をわかるなぁと共鳴する本が
乾いた喉を潤すビールだとすれば
こんな風にちょっと読んでは、ふう・・・と遠く目を空に向けまた読み進める本は
上等なウィスキーのよう。
少しづつ少しづつ味わって味わって。
あ。鳥が鳴いてる。
贅沢な一瞬。