お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

スッキリ

掃除機をもって二階にあがる。

納戸をみると、息子の部屋にあった加湿器がでんっと床に置かれていた。

シーズンも終わり邪魔になったのでさっさとこっちに移したんだな。あいつめ。

夫が帰ってくる前にここもスッキリさせておきたい。なにしろ実家からもらっていった家具も含め、単身赴任のためにやむなく買い足した寝具や家電と、どっさり荷物を増やして戻ってくる。

「捨てるものはない」

間に合わせで買った100均の杓文字や小鍋だけでも処分してきて欲しいのだが言い出したら効かない。

「時間がないからとりあえず全部運ぶから」

こうなったらこっちで勝手に処理するかと思っていたら「捨てないでよ」と先手を打たれた。

映画の半券はもちろんのこと、ボロボロになって穴のあいたシャツもタオルもまだ使えるという人の前で「はい、これも使わない、これはもう使えない」などとさっさと始末することはできるはずもない。

無駄な言い争いをして消耗するくらいなら、こっちの置き場を確保しておいたほうが穏やかだ。

念のためとか、いつか使うかもしれないととっておいた、息子が小学生のときサッカーに持っていっていた大きな鞄やリュック、ジャージ、高校の制服。サッカー当番のときに防寒のために来ていた私のスウェット、マフラー。アップルの空き箱。以前使っていたホットカーペットの空き箱。リュック。粗品でもらった手提げ袋にポーチ。独身時代の一張羅。

明らかにときめかないもの、存在すらも忘れていたものを袋に詰め、空き箱は潰してガムテープで止める。

そうだ、夫のベッドも整えておかねば。この前来た後、布団のカバーを外して洗ったきりだった。

掛け布団にカバーをかけ、シーツをかけ、ベッドカバーをかけた。

・・・・。

彼の机をこっちに置くか・・こっちの方が落ち着くかも・・。

おもむろにベッドの向きを変えると移動したところから綿ぼこりが出てきて、掃除機をかける。

ここに机を置いて・・などとやっているうちになんだか自分のポジションよりこっちのほうがいいように思えて自分の陣地と取り替えっこをしたくなった。

いいな。ここ。出窓の前に机がきて。

いかんいかん。これ以上手を広げては収集がつかなくなる。

集中して二時間半。45リットルの袋二つにダンボールを玄関に積んだ。

頑張った割には対して見た目は変わらない。使わないもの、邪魔だなと思うものはまだまだあるが、どれも夫と息子のものばかり。

それでも不要なものがなくなったぶんだけ「ここ、整理しないとなぁ」と納戸に入るたびにしていたモヤモヤは消えて気分がいい。

あとまだなにかないかな・・。

引き出しを開けては自分のもので捨ててもいいものがないかとチマチマ探している。