お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

帰ってくる

「あ、もしもし、僕だけど」

「はい、お疲れさまです。」

声の感じから「あ、きっと・・」とすぐわかった。と同時に、ぬか喜びしちゃいかん、謙虚に!と心の声が警告し、「神様お願いします!」となんども念じながら夫の声を待つ。

「うん、今やっぱりでた。まだ新しく名前の変わった部署だから未確定だけど、多分、元いたところに戻るみたい」

どっと力が抜けていく。

「おめでとうございます」

「ん、ま、これから飲みにいくけど、また詳しいことわかったら連絡する」

単身赴任が終わる。

合格発表のようによかったと思うけれど実感が湧いてこない。

緊張していた糸が緩んだあまり、嬉しさが不思議とない。

ギリギリだった。

夫の精神状態も、食生活も、私のつっぱりも。息子へのフォローも。

今日が内示の日だと知らされていた。

前例によると姫路、京都に移動する人が多いから戻ってこられないかもと聞かされていた。

「どこに出てもそこが一番いいところだよ」

カラッと返事をしてはいたけれど、最近の彼の様子を見ていると、もう一人の生活は限界だなと感じていた。

もし、次、京都にしても北海道にしても、戻れないなら今度は私もそこに一緒に行こうと決めていた。

へなへなへなへな。

神様・・・ありがとう。

 

4月から毎日帰ってくるんだな。

今日は長い一日だった。