お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

お手入れ

夫からLINEで「年末に受けたテスト、両方受かってた」と連絡がきた。何のテストを受け、何を目指しているのかまったく知らないので「そうなんだ」としか思わない。

彼は落ちたときも受かったときも私に言う。

その度に「そう、よかったね」「気にすんな」と、どちらもできるだけさらりと流すように返しているのだが、そうしたほうが私が資格にそう、ギラギラしていないですよっていうことが伝わるんじゃないかと思っているからだ。

喜べば、ああやっぱり受かってほしいんだなと思うだろうし、そうなれば落ちたとき、言いづらかろうと考えてのことだったが、今日、ふと、思い、こう返信してみた。

「よかったね。おめでとう!頑張っていたもんね。えらい!」

そういえばこれまで、心の中で夫の事を「偉いなあ」と思う事は幾度もあったが、言った事はなかった。

地味に粘り強く投げ出さない。

不公平を笑って許すところ。

公明正大なところ。

気分屋でないところ。

偉いなあと思うところはたくさんあって、密かに人間としてはあちらの方ができていると思っている。

照れくさいし、いい気になると嫌だから口にしなかった。

 

なんのために隠してんだろ。

いい気になるって、なんだ?

私が感じている事のもしかしたら一番大事な事、この人はなんにも知らないんじゃないだろか。

もし、私がこのまま死んじゃったら、知らないまま夫婦が終わっちゃう。

「一人で暮らしながら仕事もやって、勉強もやって、すごいね。」

こんな些細なこと、なんでもったいぶっていたんだろう。

出し惜しみしないで伝えないと。

一番近いからつい、気を抜いていた。

一番近いからこそ、マメにやらないと。

こまめにお手入れするように。