お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

願掛け

じわじわ家の中を整理している。

今日は寝室の配置を変えた。

また変えたんかいっと言われそうだが、今日のはちょっと違う。

本当を言うと今、実に快適だ。

陽の当たるところにベッドがあり、鏡台と机を並べ、机から手の届くところに本棚がある。文句なく居心地がいい。

その快適さに気にはなっていたが先延ばしにしていたのが、ぼちぼち夫の赴任期限の2年が経つということ。

今度の3月に夫に新しい配属先が知らされる。

戻ってくるとしたら彼のデスクを置く場所がない。私が伸び伸び好きなように置いているからだ。

赴任前の場所には今、私のベッドがある。

以前は夫とベッドを離し、部屋を天井から吊るしたカーテンで区切っていた。右と左の壁と壁に寝床も机もそれぞれ分けて置き、まるで寮部屋のようになっていた。

赴任一年目の夏、IKEAの椅子を買ったから、まずこれが一つ、増えている。

おそらく彼のことだから、あっちはあっちで、この2年間の間に書物関連の持ち物はどっさり増えている。それが一気にこの部屋に入ってくるとなると、相当狭くなるだろう。

その時までにできるだけこの部屋をさっぱりさせておいたほうがいい。

彼の荷物が戻ったとしても、ある程度適度のスペースが残るできるにしておかないと、きっと陣取り合戦のようになる。

正確にいうと、私が、なる。なんとか充分に自分の空間を確保しようと彼の持ち物の多さにイライラするのだけは避けたい。

そのためには今のうちからこの快適さを手放し、狭かった元の部屋のイメージ取り戻しておかないと。

 

なにも今からやる必要はないのだ。

「わかなんないんだよね、一気に東京に戻る事もあるし、京都、名古屋ってじわじわ戻るパターンもあるし」

そう。次、東京でないこともありうるらしい。

だから、それを待ってからでもいい。

けれども。なんか嫌なのだ。

私のベッドや机がドーンと幅を効かせている状態で「はい、次、京都」となるのは。

戻ってくる前提で、すっかり荷物の置き場所も用意して待っている、という状態で3月を迎えたい。

このままだと「あ、いいのね。別に旦那さん、この部屋にいなくても」と神様に勘違いされて帰してもらえない気がする。

半日かけて、ベッドをおいこらおいこらと動かし、鏡台、机も2年前の場所に戻した。

そうそう。こんなだった。

あるべき場所にない、夫の机。

ここにそれが戻ってきたら、このIKEAの椅子はきっと邪魔になるなぁ。一階かなぁ。

まだ来ぬ3月に、夫は夫で、私は私で、思いを巡らす。