お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

それぞれのお一人ディナー

昨日、息子から「急遽外でご飯食べることになったから、よろしく」とラインが入った。二つの意味で浮かれる。

あら。ご飯作んなくていいのぉ?うっしっし。今夜はAmazonプライムのドラマ観ながらご飯たーべよっ。

これがひとつ。

もうひとつは。

急に外食ってだれかに誘われたのか。今日は学校だし、クラスのみんなと食事会でもってことになったのか。そうだとしたら、誘われて行こうとしているということだ。あの「誰も友達になりたいと思う奴がいない」と言って学内ではお一人行動に徹していた息子にしては、画期的なことだ。嬉しいではないか。

テレビ画面の前にどかっと座り、冷凍のピザとポテトを置いて、いそいそと一人ご飯。冷凍のピザを夕飯。このジャンク感。やってみたかったんだ。

9時頃、息子が帰って来た。おや、意外と早かった。

「ただいま。転科した奴らで親睦会やろうかって話になったんだけどさ、人数がそろわないから来年にしようってことになったんだ。」

「あれ、じゃ、夕飯まだなの」

「うん、あ、でもいいよ、いらないって言っちゃったから無いだろうと思って買ってきたから」

「麻婆豆腐と餃子ならすぐ出せるよ」

「あ、ほんと、いいいい。自分でやるから」

ガサガサとコンビニの袋から取り出したのはカップラーメンとサラダ。おぬしもジャンクか。

ふたりそろってここぞとばかりに、コソコソ嬉しそうに食べるのがおかしくなって、ふふっと笑った。

「なんだよ、いいだろ、別に、たまには」

「いいよ、いいよ、かまわんよ」

わたしもたった今、堪能したばかりじゃ。

そのまま私はドラマを見続け、息子はいそいそとお湯を沸かし、お一人ディナーをこしらえるイブの夜。