お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

ご飯

病院にきている。今回は自信がなかった。

結果から言うと、ギリギリセーフ。あちこちの不具合はそのままだが、どれも今すぐ生き死に直結はしない。

夏の疲れで落ちた体重をまず戻す方向でのんびり構えてみましょう。

いい先生だ。

私はこの先生に出会えて本当によかった。

自分が死なない気がする。

100歳まで細々とこうやって、だましだましヌクヌクと生き続けていくような気がしてくるのだ。

以前担当してもらっていた女医さんに元気になるためにはタンパク質をしっかり多めにとるよう言われ、本来、ご飯に味噌汁に魚でもあれば満足なわたしは、毎日毎日肉を食べ続けた。

食欲がなくても、栄養が足りなくなるのが怖くて、とにかく肉を食べた。

身体がいやだよぅと言おうが、なだめて食べた。

そうこうしているうちに、ご飯が栄養を補充する時間になってしまった。

楽しくない。

炭水化物も控えるようにいわれたので、夜はお粥でがまんした。

炊き込みご飯たべたいなぁ。かぼちゃがたべたいなぁ。おはぎが食べたいなぁ。

ナッツ、ナッツナッツ。

豆腐豆腐豆腐。

鶏胸肉鶏胸肉。

卵卵。

ちがうのだ。私が食べたいのは卵かけご飯だったり、ネギのたくさん入った納豆ご飯。焼き鮭と大葉と水菜を混ぜ込んで炒りごまをたっぷり振りかけた鮭寿司。

「先生、体重が戻るまで限定で炭水化物食べてもいいですか」

内科医長先生は女医さんがそんなアドバイスをしてくれていたことを知らなかった。カルテにも記載されていなかったようだ。

「それ、ずっと守っていたの?」

「はい」

タンパク質の量も、気にせず食べたいものを食べていいです。ご飯もいいですよ。肝臓があるから動物性の脂肪は気をつけた方がいいけれど、ご飯はいいですよ。ときどき医者は100点満点を提示します。それは無理でしょう。人の身体は不思議なものです。あれこれ入ってきても、中で適当にバランスを整えるんですよ。

「体重が戻っても続けてご飯、いいんですか」

「大丈夫です、好きなものを食べてください」

身体の声と医者の声がそろった。

今日から考えなくていい。ご飯食べていい。

夜。今夜から。

オサツを蒸そう。早生ミカンを買おう。初日はなににしよう。

祝いだ。

奮発して赤身のお刺身買って、寿司飯作って、納豆と、キュウリの千切りと・・・・。蜆のお味噌汁にほうれん草の煮浸し。