お気楽日和

誰かに手紙を書く気持ちで、事件性のない平凡な毎日を切り取ってみようと思います。

言い表せない想いを玉手箱に

今日は、うまく書けない。

うまく表現しきれない想いを書いている。

 

過ぎたことに意識を向けずに、今、今、今だけを味わうことにし始めた。

そうすると心の負荷がすごく軽くなる。

先のことを心配しなくていい。

過去の嫌なことは、思い出す必要はない。

ただ、今ここだけの点に集中すると、いつもフラット。まっさら。

あらゆることから解き放たれる。

 

なのだけど。

昨日の夜のことをついつい、何度となく一人、思い返し、ほうっと、のぼせている。

義父と夫と息子と私の四人で食事をした。

いい嫁としてとか、みんな楽しんでいるか、会話が途切れたけれど・・などと、私が場を和ませようなどと気を回さず、ただただ、美味しく食べて、遠慮もせず、お義父さんの懐に入ってくつろごう。

そう決めて、あえて普段着で向かった。

普段着は私を気楽な気分にさせ、畏まらず、冗談もいい、笑い、いつもなら義父の前では慎む夫にツッコミも入れ、息子と馬鹿話をし、お義父さんにあれこれ質問したり。

私は、楽しんだ。みんなも楽しんでいるように見えた。

どれも、美味しく、時間がゆっくり流れることが心地よかった。

「今日はトンさんにたくさん笑わせてもらって、楽しい夜でした」

義父がそういった。

やっとファミリーになれた。そんな気がした。

 

そして帰り際、神様から思いがけないプレゼントをもらった。

「トンさんにいつも思っているけど、ずっと言えないことがあるんです」と義父が言う。

「感謝しているんだよ。家庭を支えてくれて、頑張ってくれていて」

びっくりした。

とんでもないです、過分なお言葉ですと言えば、いやいや本当にそう思っているんだからと見つめられた。

頭の芯がぼうっとする。

なかなか妊娠しないと思ったら流産し、やっと子供を産んだかと思えば、入退院を繰り返し、義父にとって大事な息子の赴任先にもついていけなかったり。義父のところにだって、満足に顔を出せてない。手伝えることはあるはずなのに。

「あなたなんか昔だったらいつ、三行半突きつけられて実家に返されてもおかしくないのよ」

「そうそう、使い物にならない嫁だってね」

母と姉に言われるたびに、本当にそうだと思っていた。お義父さんにしてみたら、困った嫁をもらってしまったと思っているだろうと思い込んでいた。ずっとそう思っていた。

感謝している。

こんなありがたい言葉をいただけるなんて。

「ありがとうございます」

そうお礼を言うと、本当に自分がそれだけの存在であるように思えた。

胸が熱くなるってこういう感じだろうか。

 

今日もつい、思い出してはぼうっと幸せな気持ちの余韻に浸ってしまう。

今を生きよう。昨日は記憶。今なのだ。

そこにとどまらず、嬉しかった言葉は力に変えて、また一歩一歩、丁寧に進んでいこう。

私を取り巻く世界は、きっとずっと前から暖かいもので満ちていたんだ。

母、姉は毒舌で表現するピリリとした愛。

義父は遠くで見守る穏やかな愛。

尖った心で身構えていたのは私。

たぶん、そう。

 

昨日のことはあれから誰にも話していない。これからも誰にも言わない。

ここに書くことで、心の玉手箱に大事にしまった。

 

神様。全てのことに感謝します。